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絶え絶えにつづく猪熊いのくまおじのうなり声
芥川龍之介 / 偸盗 ページ位置:92% 作品を確認(青空文庫)
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うなる・うめく
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......がある。 「阿濃あこぎのあほうが見えぬの。」 「なるほど、そうじゃ。」 「おおかた、この上に寝ておろう。」 「や、上でねこが鳴くぞ。」  みな、一時にひっそりとなった。その中を、絶え絶えにつづく猪熊いのくまおじのうなり声と一つになって、かすかに猫の声が聞こえて来る。と流れ風が、始めてなま暖かく、柱の間を吹いて、うす甘い凌霄花のうぜんかずらのにおいが、どこからかそっと一同の鼻を襲った。 「猫も化......
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それ以上言葉を重ねようとはしなかった。
雫井 脩介「火の粉 (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
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