長いあいだ体内に溜めていた息をゆっくりと外に吐き出す。

深呼吸をした。夜の涼気が身体の内側を洗った。

空気をたっぷりと肺に送り込む。

「弁護士の使い走りのような仕事だよ」と僕は言って、話の素速い流れを切るためにゆっくりと深呼吸した。

鼻と口を塞がれたような苦しさから逃れたくて、私は必死に深呼吸をしながら

鼻の穴を大きくして、思い入れ凌霄花のにおいを吸い

（喘息）喉は破れた笛のように悲鳴をあげる。

深い海に潜るダイバーのように深呼吸

エンジンの切れた車内は静かだった。震動を感じるが、すぐにそれが、自分の鼓動によるものだと気づいた。呼吸のたびに、身体が大きく上下し、その膨らみと萎みがシートに伝わって揺れている。

犬のように辺りを嗅ぎまわる