三万光年くらい遠くよ

（近い）スープの冷めない距離にいる

原は広く、目指す病院の屋根はなかなか近くならなかった。それは波立つ萱の 彼方 に、手に取るように見えながら、私を取り巻く原の広さを思わせて、いつまでもちんまりと遠く、行く手に控えていた。

我々は遠く離れた世界の両端に立っている

宇宙の端っこくらい遠い

船は吸い付けられるように、吹雪（ふぶき）の間からまっ黒に天までそそり立つ断崕（だんがい）に近寄って行く

季節はずれの蛾のように、ふらふらと吸いよせられる

間近に迫っている

水平線の彼方（かなた）

飛鳥のごとく駈け寄った影