いつもどこか一点を見詰めている暗い感じのする女
遠藤 周作「海と毒薬 (角川文庫)」に収録 ページ位置:75% 作品を確認(amazon)
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暗い性格・陰気
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......も角、この上田という看護婦がなぜ、今日の解剖に加えられたか、わからない。この看護婦は病院に来て日も浅く、勝呂も大部屋を回診する時まれに顔を合わせたことがあるが、いつもどこか一点を見詰めている暗い感じのする女だった。 突然、今まで廊下から聞えていた将校たちの声がやんだ。勝呂は横にいる戸田の顔を怯えた眼で見あげた。戸田は戸田で一瞬、苦痛に顔をゆがませたが、なにか挑むよ......
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