TOP > 感覚表現 > におい・香り > 匂いがする・におう
樟脳 の匂いが 軀 にからみついている。家中どこへいっても追いかけてくるような気がして半沢は落着かない。
向田邦子 / 三枚肉「思い出トランプ(新潮文庫)」に収録 ページ位置:0% 作品を確認(amazon)
この表現が分類されたカテゴリ
悪臭・くさい
匂いがする・におう
しおりに登録する
前後の文章を含んだ引用
三枚肉 樟脳の匂いが軀にからみついている。家中どこへいっても追いかけてくるような気がして半沢は落着かない。 匂いのもとは、女房の幹子の訪問着である。今夜の披露宴のために簞笥から出し、壁にぶら下げて風を通している。 幹子は癇性で、料理のときの塩胡椒もきつめなたちである。樟脳が多過ぎるんだよ、と言いたいところだが、披露宴が終るまでは余計なことは言わないほうがいい。 半沢は洗面所の鏡にうつる自分の顔をのぞき込んだ。五十に......
ここに意味を表示
悪臭・くさいの表現・描写・類語(におい・香りのカテゴリ)の一覧 ランダム5
このカテゴリを全部見る
匂いがする・におうの表現・描写・類語(におい・香りのカテゴリ)の一覧 ランダム5
かすかなにおいが葉子の部屋にも通 って来た。
有島武郎 / 或る女
茶を売る 老舗 の店が近づいて来、その周辺に絶えずたちこめている粉茶の 匂いの中に入った。それはそのときの気分しだいで、立ち 停 まって改めて吸い込んでみたくなるような芳香であったり、我知らず足を速めて立ち去ろうとさせる寂しい 哀しい匂いの塊であったりしたが、いまの邦彦にはどちらでもない、霧散も揮発も 沈澱 もせず、ただひたすらその一線でゆらめいているぶ厚い匂いの 扉 に思えるのであった。
宮本 輝「道頓堀川(新潮文庫)」に収録 amazon
このカテゴリを全部見る
「におい・香り」カテゴリからランダム5
同じカテゴリの表現一覧
におい・香り の表現の一覧
感覚表現 大カテゴリ