「お母さん。元気にしてた？」 満喜子が子供をあやすような声で呼びかける。
雫井 脩介「火の粉 (幻冬舎文庫)」に収録 ページ位置：20% 作品を確認（amazon）
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甘えた声・鼻声
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......くと、お茶を淹れようとする尋恵に、「いいから、いいから。私には気を遣わないで」そう強く制して、早速姑の部屋に向かった。 尋恵もあとについていく。姑は起きていた。「お母さん。元気にしてた？」 満喜子が子供をあやすような声で呼びかける。「私、誰だか分かる？」 姑は顔中の皺を動かして嬉しそうな顔をした。「満喜ちゃん……」「そうだよ」姑の頭がはっきりしているのが分かって、満喜子も満足そうな笑顔を見......
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