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そのとき自分を襲った感情は、怒りでも無く、嫌悪でも無く、また、悲しみでも無く、ものすさまじい恐怖でした。それも、墓地の幽霊などに対する恐怖ではなく、神社の杉木立で白衣の御神体に逢った時に感ずるかも知れないような、四の五の言わさぬ古代の荒々しい恐怖感でした。
太宰治 / 人間失格 ページ位置:83% 作品を確認(青空文庫)
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とても怖い
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前後の文章を含んだ引用
......ける事も忘れ、階段に立ちつくしていました。  堀木は、大きいせきばらいをしました。自分は、ひとり逃げるようにまた屋上に駈け上り、寝ころび、雨を含んだ夏の夜空を仰ぎ、そのとき自分を襲った感情は、怒りでも無く、嫌悪でも無く、また、悲しみでも無く、ものすさまじい恐怖でした。それも、墓地の幽霊などに対する恐怖ではなく、神社の杉木立で白衣の御神体に逢った時に感ずるかも知れないような、四の五の言わさぬ古代の荒々しい恐怖感でした。自分の若白髪は、その夜からはじまり、いよいよ、すべてに自信を失い、いよいよ、ひとを底知れず疑い、この世の営みに対する一さいの期待、よろこび、共鳴などから永遠には......
単語の意味
神体(しんたい)
神体・・・神が宿るものとして祭ってあるもの。
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崖縁に足を踏み出すような怖しさ
伊藤 整 / 火の鳥 (1958年) amazon
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「形容詞」 + 「恐怖」の表現・描写・類語(恐怖・不安のカテゴリ)の一覧 ランダム5
膀胱と排泄器官の中を沸騰した熱湯が通っていくような恐怖
野間宏 / 崩解感覚「暗い絵・顔の中の赤い月 (講談社文芸文庫)」に収録 amazon
恐怖はじりじりと焼けつく負の欲望だ。
沼田 まほかる「彼女がその名を知らない鳥たち (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
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膀胱と排泄器官の辺りを沸騰した湯水が流れて行くような恐怖が彼の身内におとずれ
野間宏 / 崩解感覚「暗い絵・顔の中の赤い月 (講談社文芸文庫)」に収録 amazon
自分が背伸びしてドアのカギを開けていたちっぽけな子供にバックしてしまったような心細い気分
吉本ばなな / サンクチュアリ「うたかた/サンクチュアリ」に収録 amazon
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