（ふるいにかける）大きな網を張って、雑魚は後から棄（す）てれば宜（い）い。

最悪よりマシな次善の選択

パン屋襲撃の話を妻に聞かせたことが正しい選択であったのかどうか、僕にはいまもって確信が持てない。たぶんそれは正しいとか正しくないとかいう基準では推しはかることのできない問題だったのだろう。つまり世の中には正しい結果をもたらす正しくない選択もあるし、正しくない結果をもたらす正しい選択もあるということだ。このような不条理性──と言って構わないと思う──を回避するには、 我々は実際には何ひとつとして選択してはいないのだ という立場をとる必要があるし、大体において僕はそんな風に考えて暮している。起ったことはもう起ったことだし、起っていないことはまだ起っていないことなのだ。

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勝つためには手段を選ばない

何でも同一の結論が出てくるような便利な解釈

気持ちいいほど素早い決断

肉縁を捨てるほどな、覚悟

（丁寧に隠ししまわれた論文）どんなに高貴な王の遺品でさえ、これほど手厚く埋葬されてはいないだろうと思われるほどだった。

軛（くびき）にかかった輓牛（ひきうし）のような柔順な忍耐と覚悟