TOP > 感覚表現 > におい・香り > 匂いがする・におう
かすかなにおいが葉子の部屋にも通 って来た。
有島武郎 / 或る女(前編) ページ位置:40% 作品を確認(青空文庫)
この表現が分類されたカテゴリ
匂いがする・におう
しおりに登録する
前後の文章を含んだ引用
......やがて葉巻 をくわえたままの口ごもりのする言葉で、 「もうじき検疫 船だ。準備はいいだろうな」 といい残したまま事務長は船医の返事も待たずに行ってしまったらしかった。かすかなにおいが葉子の部屋にも通 って来た。 葉子は聞き耳をたてながらうなだれていた顔を上げると、正面をきって何という事なしに微笑をもらした。そしてすぐぎょっとしてあたりを見回したが、われに返って自分一人 ......
ここに意味を表示
匂いがする・におうの表現・描写・類語(におい・香りのカテゴリ)の一覧 ランダム5
花の匂いが、閉 て切ってあるここまで匂って来る。
岡本かの子 / 河明り
茶を売る 老舗 の店が近づいて来、その周辺に絶えずたちこめている粉茶の 匂いの中に入った。それはそのときの気分しだいで、立ち 停 まって改めて吸い込んでみたくなるような芳香であったり、我知らず足を速めて立ち去ろうとさせる寂しい 哀しい匂いの塊であったりしたが、いまの邦彦にはどちらでもない、霧散も揮発も 沈澱 もせず、ただひたすらその一線でゆらめいているぶ厚い匂いの 扉 に思えるのであった。
宮本 輝「道頓堀川(新潮文庫)」に収録 amazon
熟れ切った稲の 香 が強く鼻へ来る。
志賀 直哉 / 雨蛙「城の崎にて・小僧の神様 (角川文庫)」に収録 amazon
このカテゴリを全部見る
「におい・香り」カテゴリからランダム5
同じカテゴリの表現一覧
におい・香り の表現の一覧
感覚表現 大カテゴリ