兄との電話で話すのは、自分の学校生活のささいなことが多く、あまり深い話にはならない。深まらない、長い話がだらだらと続く。意味がなくて記憶からもこの世の事実からも消えていくような話を連ねて連ねて長さだけが延びていくような兄との電話が知花は好きだった。
滝口 悠生 / 死んでいない者 ページ位置:34% 作品を確認(amazon)
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雑談・世間話・とりとめのない会話
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前後の文章を含んだ引用
......しているのだが、兄が無職であることは言わない。問われれば実家を出て埼玉で仕事をしている、とでも言うのかもしれないが、友人たちは誰もそこまで関心を持たなかった。 兄との電話で話すのは、自分の学校生活のささいなことが多く、あまり深い話にはならない。深まらない、長い話がだらだらと続く。意味がなくて記憶からもこの世の事実からも消えていくような話を連ねて連ねて長さだけが延びていくような兄との電話が知花は好きだった。 兄は、親や親戚が来た時だけ、うっとうしがってプレハブに引きこもった。別に親や親戚がいやなわけではないが、あれこれ詮索されることが兄はうっとうしかった。もう少し......
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雑談・世間話・とりとめのない会話の表現・描写・類語(声・口調のカテゴリ)の一覧 ランダム5
みんなでだらだらと何か話して
吉本 ばなな「アムリタ〈上〉 (新潮文庫)」に収録 amazon
何かの話が思いがけなく色々の方へ移って行った。
小林多喜二 / 蟹工船
他愛ない話題ばっかりだけれど、話題なんかどうでもいい。口と耳と皮膚と目と匂い。五感を確かにくすぐるほど傍にいることが、大切なのだ。
あさの あつこ「ガールズ・ブルー (文春文庫)」に収録 amazon
女達のおしゃべりは夏の青空のように朗かである。
林芙美子 / 新版 放浪記
隣のおばさんと世にも明るい調子で世間話をしている。
吉本 ばなな / 新婚さん「とかげ (新潮文庫)」に収録 amazon
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