(好きでもない男と寝る)彼の呼吸がさらに荒くなり、彼の身体は汗にまみれた。これは野呂ではない、別の男なのだ、と思うと不思議な気がした。そしてその不思議な気分はよりいっそう、わたしの官能的な気分を刺激してきた。
小池真理子「愛するということ (幻冬舎文庫)」に収録 ページ位置:97% 作品を確認(amazon)
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セックス
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......言葉を待ったのだが、彼はもう何も言わなくなった。 わたしは何度も何度も、数えきれないほど何度も、頂点にのぼりつめ、その都度、自分でも驚くほど大きな声をあげた。 彼の呼吸がさらに荒くなり、彼の身体は汗にまみれた。これは野呂ではない、別の男なのだ、と思うと不思議な気がした。そしてその不思議な気分はよりいっそう、わたしの官能的な気分を刺激してきた。 やがて柿村はひと声、咆哮すると、両手で一瞬、わたしの腕を強く握りしめるなり、ぐっ、という声を喉の奥からもらしながら背中を反らした。そして、数秒後、もう何も残っ......
単語の意味
身体(しんたい)
身体・・・人のからだ。肉体。
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それからまた二人はしゃべらなくなる。あらゆる種類の体液で互いを汚し合いながら、離脱のための激しいダンスを踊る。さっきよりもっと強い刺激を必要としている水島の、あらゆる望みをかなえようと夢中になる。十和子なしでは生きられないと、水島に骨の髄までそう感じさせるためには、どんなことをすればいいのか? 二つの肺から吐き出される湿った息で、部屋全体が白く霞んでいく。
沼田 まほかる「彼女がその名を知らない鳥たち (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
稚拙な動作で体を交えた。
阿刀田 高 / 捩れた夜「ナポレオン狂 (講談社文庫)」に収録 amazon
わたしは目の前の、自分を抱いている男の背に腕をまわし、男の身体の重みを受けながら、その男のことが好きだ、気にいっている、などと心の底から思うのだった。
小池真理子「愛するということ (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
伊豆の別荘で潮風にまみれて、いとおしんだサユリの手や足たち。それらの饒舌で美しい蜘蛛のようなゆったりとした動き。
山田詠美「新装版 ハーレムワールド (講談社文庫)」に収録 amazon
我々はホテルに帰って性交した。性交ということばが僕はとても好きだ。それは何かしら限定された形の可能性を連想させてくれる。
村上 春樹「羊をめぐる冒険」に収録 amazon
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全身に暖かい 淫靡 な血が湧き始めた。それは、ゆったりとした大陸の河のように流れ続けて股間を満たして行った。
山田詠美「新装版 ハーレムワールド (講談社文庫)」に収録 amazon
熱い唇の感触が火花のように貫く
福永 武彦 / 草の花 amazon
父親は電話でもかけるように母親の生殖器に口をつけ
芥川 龍之介 / 河童 amazon
女は熱い体を敏郎に押しつけて来る。
阿刀田 高 / 捩れた夜「ナポレオン狂 (講談社文庫)」に収録 amazon
わたしはただ、黙って目を閉じて、彼の愛撫を受けていればよかった。それだけで悦楽が近づいてくるのが感じられた。
小池真理子「愛するということ (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
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