おそろしく 色褪せて、乾いたゴキブリの死骸みたいな色になっている厚手の本
小池真理子「愛するということ (幻冬舎文庫)」に収録 ページ位置:13% 作品を確認(amazon)
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茶色
本
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前後の文章を含んだ引用
......が表紙を前に向けて並べられていた。すべて古書だった。 安部公房の『方舟さくら丸』、和辻哲郎のエッセイ、古いムック本の『太陽』、それに何冊かの洋雑誌……そんな中、おそろしく色褪せて、乾いたゴキブリの死骸みたいな色になっている厚手の本に、目が吸い寄せられた。レイモン・ラディゲの『ドルヂェル伯の舞踏会』だった。 わたしはそれを手に取って感嘆の声をあげた。「野呂さん、これ、初版本じゃないですか。......
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ベッドの周りには古い本が何列も積み上がり、まるで小さなビル街のようだった。
三上 延 / ビブリア古書堂の事件手帖―栞子さんと奇妙な客人たち amazon
相当に古い。大きさはA4判ほどで、かなりの厚みがある。製本されたものではなく、光沢のある緑色の紐で右端が綴じられていた。
横山 秀夫「クライマーズ・ハイ (文春文庫)」に収録 amazon
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(赤く染まった指で)赤いダイキュリのグラスをつかんだスタンの手を見詰めた。その手は赤い酒の上で指を一本失ったように見えた。
山田詠美「新装版 ハーレムワールド (講談社文庫)」に収録 amazon
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(和紙は)木の葉に触れているのと同じように物静かで、しっとりしている。
谷崎 潤一郎 / 陰翳礼讃 amazon
象は右の後脚にがっしりとした重そうな鉄の輪をはめられていた。輪からは十メートルほどの長さの太い鎖がのびて、その先はコンクリートの土台にしっかりと固定されていた。それは見るからに頑丈そうな鉄輪と鎖で、象が百年かけて力を尽したところでそれを破壊することは不可能であるように見えた。
村上 春樹 / 象の消滅「新装版 パン屋再襲撃 (文春文庫)」に収録 amazon
板っぺらのようにすり減った下駄の裏
山本 有三 / 波 amazon
大黒様のような袋を肩にかついで
木山 捷平 / 大陸の細道 amazon
(ページ)私の詩の組み込まれている頁だけが、まるで一つの居留地のように、孤立した全く別個の特殊地帯を作り上げている
井上 靖 / 猟銃「猟銃・闘牛 (新潮文庫)」に収録 amazon
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