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デパートも内部はすっかり焼けて外郭だけが残っているのである。
遠藤 周作「海と毒薬 (角川文庫)」に収録 ページ位置:21% 作品を確認(amazon)
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戦場・戦争
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......、拡っていくのだ。風がある日もない日も、その砂漠から白い埃の巻きあがるのが見え、その小さな竜巻が、むかし田舎者の勝呂の眼を見張らせた福屋デパートを包んでしまう。デパートも内部はすっかり焼けて外郭だけが残っているのである。 もう空襲警報も警戒警報もないようだった。鉛色をおびた低い冬の雲のどこかで絶えず、ごろん、ごろんと鈍い響きがきこえ、時々思いだしたようにパチ、パチと、豆のはじけ......
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