その顔には浮世の苦労が陰鬱に刻まれていた。
梶井基次郎 / ある崖上の感情 ページ位置:78% 作品を確認(青空文庫)
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疲れた顔
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前後の文章を含んだ引用
......かである一つの情景をはっきり心にとめていた。それは一人の五十がらみの男が、顔色の悪い四つくらいの男の児と向かい合って、その朝餉の膳に向かっているありさまだった。その顔には浮世の苦労が陰鬱に刻まれていた。彼はひと言も物を言わずに箸を動かしていた。そしてその顔色の悪い子供も黙って、馴れない手つきで茶碗をかきこんでいたのである。彼はそれを見ながら、落魄 した男の姿を感......
単語の意味
陰鬱(いんうつ)
陰鬱・・・陰気(=どんよりして)で鬱陶(うっとう)しい(=晴れ晴れしない)さま。気持ちがすっきりしてないさま。気分が重苦しいさま。
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深い疲労と、極度な喫煙で、どろんとした顔付きになっている
岡本かの子 / 母子叙情
泥と 髭 とでうすぎたなく汚れ、そして不安と疲労とですっかり 歪んでいる追いつめられた男の顔
遠藤周作「沈黙(新潮文庫)」に収録 amazon
憔悴 したように顔をうつむけると、長いまっすぐな髪がばさりと落ちて、さとみの姿は壁に凭せかけられてうなだれている精巧な人形のように見えた。
宮本 輝「道頓堀川(新潮文庫)」に収録 amazon
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