扇風機の風に 煽られた 蠅 取り紙がなびいている。
宮本 輝 / 泥の河「螢川・泥の河(新潮文庫)」に収録 ページ位置:44% 作品を確認(amazon)
この表現が分類されたカテゴリ
昭和
しおりに登録する
前後の文章を含んだ引用
......友は野末の石の下 店じまいの手を途中で止めて、晋平はじっと喜一の歌に耳を傾けていた。そんな晋平の、最近少し薄くなったように思える頭髪を、信雄は見た。その真上で、扇風機の風に煽られた蠅取り紙がなびいている。ついさっきまでのはしゃいだ気分が信雄の中から消えていき、親戚の家に泊まった晩のような、妙に不安な、家恋しい気分に似たものがつのってきた。「その歌、最後まで知って......
単語の意味
靡く(なびく)
蠅・蝿(はえ)
靡く・・・1.草や藻、布などの長くて軟らかいものが、水や風の流に従って横に動く。
2.権力者の意思や命令に従う。また、女性が男性の言うことを受け入れる。
2.権力者の意思や命令に従う。また、女性が男性の言うことを受け入れる。
蠅・蝿・・・ハエ目ハエ亜目ハエ下目に属する昆虫の総称。羽は二枚で触角は太くて短い。食べ物などにたかり、伝染病を媒介する。長い口先を使って液体などを舐める。幼虫はいわゆる「うじ」。不快なもの、五月蝿(うるさ)いものの代名詞にも使われる。
ここに意味を表示
昭和の表現・描写・類語(歴史・時代・伝統のカテゴリ)の一覧 ランダム5
扇風機の風に 煽られた 蠅 取り紙がなびいている。
宮本 輝 / 泥の河「螢川・泥の河(新潮文庫)」に収録 amazon
このカテゴリを全部見る
「歴史・時代・伝統」カテゴリからランダム5
私は熟した実が落ちるようにあの場をはなれ、川がどんどん流れていくのと同じに今に至っている
吉本 ばなな / 大川端奇譚「とかげ (新潮文庫)」に収録 amazon
往々にしてひょいとしたきっかけから始まる政治変革
高橋 和巳 / 我が心は石にあらず amazon
人の世のうつろいは飛花落葉のはかなさにひとしい
辻井 喬 / 暗夜遍歴 amazon
生活全体が、その仏壇のように古風な伝統にみちていた。
宮本百合子 / 伸子
同じカテゴリの表現一覧
歴史・時代・伝統 の表現の一覧
暮らしの表現 大カテゴリ