曜日・日々・休日の表現・描写・類語(人生のカテゴリ)の一覧 ランダム5
土曜日と云えば誰でもが特別賑やかに過したい夜
宮本百合子 / 伸子
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かつては──と僕は思った──僕も希望に燃えた まともな 人間だった。高校時代にはクラレンス・ダロウの伝記を読んで弁護士になろうと志した。成績も悪くなかった。高校三年のときには「いちばん大物になりそうな人」投票でクラスの二位になったこともある。そして比較的きちんとした大学の法学部にも入った。それがどこかで狂ってしまったのだ。 僕は台所のテーブルに頰杖をつき、それについて──いったいいつどこで僕の人生の指針が狂いはじめたかについて──少し考えてみた。でも僕にはわからなかった。とくに何か思いあたることがあったというわけではないのだ。政治運動で挫折したのでもないし、大学に失望したのでもないし、とくに女の子に入れこんだというのでもない。僕は僕としてごく普通に生きていたのだ。そして大学を卒業しようかという頃になって、僕はある日突然自分がかつての自分でなくなっていることに気づいたというわけだ。 きっとそのずれは最初のうちは目にも見えないような微小なものだったのだろう。しかし時が経過するに従ってそのずれはどんどん大きくなり、そしてやがてはそもそものあるべき姿が見えなくなってしまうような辺境に僕を運んできてしまったのだ。
村上春樹 / ねじまき鳥と火曜日の女たち「パン屋再襲撃 (文春文庫)」に収録 amazon
急流を下るボートに喩(たと)えるなら、俺は今舵をとるのに忙しくて、両手がはなせないんだ。だから君にオールを渡している。もし君ができないというのであれば、ボートは転覆し、俺たちはみんなきれいに破滅するかもしれない。《…略…》ボートから降りるのなら、もっと前に、流れがまだ静かなうちに降りるべきだった。《…略…》急流下りを楽しもう。そして滝の上から落ちるときは、一緒に派手に落ちよう。
村上 春樹 / 1Q84 BOOK 1 amazon
(ぬるま湯に浸かって堕落)何年となく続いて来たこの平穏無事で、水蜜桃じゃないが、尻の方から腐って来たような気がしているんだ。
志賀 直哉 / 邦子「志賀直哉全集 〈第6巻〉 沓掛にて 豊年虫」に収録 amazon
一人一人にとって生死にかかわることが、暦の移ろいのように、坦々と動いていく
渡辺 淳一 / 白き旅立ち amazon
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