(公衆浴場で働く小母さんの肌は)吸い込まれるような透き通った白さではなく、浴場の湯気が浸透し、層になった隙間で、長い時間をかけ精製された鉱物のような白さだった。
小川 洋子 / 口笛の上手な白雪姫「口笛の上手な白雪姫」に収録 ページ位置:10% 作品を確認(amazon)
この表現が分類されたカテゴリ
色白・肌の白さ
しおりに登録する
前後の文章を含んだ引用
......ら、それは小母さんが色白だということだった。皺が多いわりに顔には染みも黒子も見当たらず、何かの拍子にゆるんだ合わせ目からのぞく太ももは、はっとするほど白かった。吸い込まれるような透き通った白さではなく、浴場の湯気が浸透し、層になった隙間で、長い時間をかけ精製された鉱物のような白さだった。 公衆浴場が営業している間は必ず、朝から晩まで、小母さんはずっと女湯の脱衣場にいた。せっかく女の子たちの憧れの的に住んでいるのに、小屋に戻るのは寝る時だけだった......
単語の意味
鉱物(こうぶつ)
鉱物・・・岩や石など、天然に生成されて地中に含まれる物質。
ここに意味を表示
色白・肌の白さの表現・描写・類語(肌の印象のカテゴリ)の一覧 ランダム5
日本人のはどんなに白くとも、白い中に微かに翳りがある。《…略…》露出している部分へ濃い白粉を塗っているのだが、それでいて、やっぱりその皮膚の底に淀んでいる暗色を消すことが出来ない。
谷崎潤一郎 / 陰翳礼讃 amazon
美咲は色彩に恵まれていない。肌も髪も、色素が乏しいのだ。瞳の黒さだけが際立つ。儚げで、危うく、あたしが親なら『壊れもの注意』のレッテルをべたべた貼りつけたくなるだろう。
あさの あつこ「ガールズ・ブルー (文春文庫)」に収録 amazon
このカテゴリを全部見る
「肌の印象」カテゴリからランダム5
皮膚が不健康な皺 を持っている
梶井基次郎 / 橡の花
乳白色の肌の奥に青い血管の浮かぶ
中島 京子「小さいおうち (文春文庫)」に収録 amazon
同じカテゴリの表現一覧
肌の印象 の表現の一覧
人物表現 大カテゴリ