日本語表現インフォ > 人物表現 > 表情・顔に表れた気持ち > 笑顔
笑顔の表現・描写・類語
その笑顔をたとえるなら、冬の湖の空にちらりと太陽が光を落としたように思える
木山捷平 / 河骨 amazon
人の心持ちを何でも下等に浅薄に解釈して一人見抜いたような得意の薄笑いを浮べ
長与善郎 / 青銅の基督 amazon
笑うと、顔にやさしい表情が出て、初等教育にはさも熟達しているように見えた
田山花袋 / 田舎教師 amazon
子供のような笑顔も見せた。生きていると面白いことがある、という風に
永井龍男 / 永井龍男全集〈1〉(「あいびき」から) amazon
顔の造作が愛想笑いでばらばらになる
有吉 佐和子 / 三婆 amazon
笑顔が悪鬼のようにゆがむ
真継 伸彦 / 鮫 amazon
化粧を落としている顔に襞(ひだ)を刻んで拡がって行くのが判るような笑い
高井 有一 / 北の河 amazon
薄赤い喉の筋肉がのぞかれるほど、大きく口を開けて笑う
石坂 洋次郎 / 丘は花ざかり amazon
十年来の友達にしか見せないような屈託のない笑顔
小池 真理子 / やさしい夜の殺意 amazon
皮膚が輝き出すような柔らかい笑顔
大仏 次郎 / 冬の紳士 amazon
野イチゴをつみに森へやって来た少女のように微笑みを浮かべる
大原 まり子 / イル&クラムジー物語 amazon
繊細な硝子細工のように、ひどく脆くて危険な微笑
三島 由紀夫 / 午後の曳航 amazon
口もとを般若のように裂いてにんまりと笑う
真継 伸彦 / 鮫 amazon
顔がほころぶと目尻に大小とり混ぜて五本の皺が寄る
荻野 アンナ / 背負い水 amazon
チェシャ猫みたいな幅の広い微笑
村上 春樹 / ダンス・ダンス・ダンス(下) amazon
普段は開けることのない抽斗(ひきだし)の奥からひっぱり出してきたような微笑みだった。
村上 春樹 / 1Q84 BOOK 1 amazon
大きく親しく微笑みかけた。お目にかかれてこんな嬉しいことはない、というように。
村上 春樹 / 1Q84 BOOK 3 amazon
女教師は満足そうに微笑んだ。小さな瞳の中で何かが陽光を受け、遠くの山肌に見える氷河のようにきらりと光った。
村上 春樹 / 1Q84 BOOK 3 amazon
顔のなかをお祭りでも通ったみたいに、にやにや笑ってる。
夏目 漱石 / 坊っちゃん amazon
あの人懐こく温かな笑顔に接している間、たしかに彼女は太陽の明るい陽ざしの下にいるような快さを感じた。
藤沢桓夫 / 君に告げん
五月の朝そのもののような(とてつもない明るい笑顔)
三島 由紀夫 / 美徳のよろめき amazon
ぱっと音立てて朝開く花の割れ咲くような笑顔だった。
横光 利一 / 微笑 amazon
美咲が笑う。花びらが開いていく。極上の笑顔だ。こいつは、どうしてこんなに美しく微笑むことができるのだろう。
あさの あつこ「ガールズ・ブルー (文春文庫)」に収録 amazon
彼女はほんの少し微笑んだ。そしてその四分の一センチほどの微笑みはもとに戻すのが面倒だからという理由だけでしばらくのあいだ口もとに留まっていた。
村上 春樹「1973年のピンボール (講談社文庫)」に収録 amazon
成瀬は嬉しそうな久遠を見ながら、犬が笑えばこうなるのではないか、と思った。
伊坂 幸太郎「陽気なギャングが地球を回す (祥伝社文庫)」に収録 amazon
弥勒菩薩のような笑顔
野崎 幸助「紀州のドン・ファン 美女4000人に30億円を貢いだ男 (講談社+α文庫)」に収録 amazon
二人は顔を見合って溶けるように笑 みかわす。
有島武郎 / 生まれいずる悩み 青空文庫
ふわりと包み込むような笑顔
金沢 優「もしも高校四年生があったら、英語を話せるようになるか」に収録 amazon
彼は笑った。あんまり晴れやかに笑うので見慣れた玄関に立つその人の、瞳がぐんと近く見えて、目が離せなかった。
吉本 ばなな / キッチン「キッチン (角川文庫)」に収録 amazon
てかてかと光る赭ら顔に一ぱいの笑みを浮べて
松本 清張 / 真贋の森「松本清張ジャンル別作品集(3) 美術ミステリ (双葉文庫)」に収録 amazon
彼女はとり澄ました顔よりも笑顔のほうに魅力があった。眼もとにも口もとにも明るい愛嬌が出た。
松本 清張 / 与えられた生「松本清張ジャンル別作品集(3) 美術ミステリ (双葉文庫)」に収録 amazon
頬の筋肉をゆでたまごみたいにふくらませて、わらう。
朝井 リョウ / 燃えるスカートのあの子「もういちど生まれる (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
花が咲くように頬をゆるませた。
朝井 リョウ / もういちど生まれる「もういちど生まれる (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
赤い唇でにっこり笑った。
吉本 ばなな / とかげ「とかげ (新潮文庫)」に収録 amazon
満面の、力いっぱいの、インドの子供たちみたいにくっきりした笑顔
吉本 ばなな「N・P (角川文庫)」に収録 amazon
マクドナルド帽をかぶったカウンターの女の子がマクドナルド的な微笑を浮かべて僕に言った。
村上春樹 / パン屋再襲撃「パン屋再襲撃 (文春文庫)」に収録 amazon
娘ははじめてにっこりと笑った。表情が崩れると、彼女は最初の印象よりずっと子供っぽく見えた。
村上春樹 / ねじまき鳥と火曜日の女たち「パン屋再襲撃 (文春文庫)」に収録 amazon
唇のはしが上がって、 目尻 が優しく下がるのと同じ速さで、雲がさあっと切れて青空と光がのぞくような甘い笑顔。
吉本 ばなな「アムリタ〈上〉 (新潮文庫)」に収録 amazon
完璧 に独立して、複雑な機能を持つ美しさ。何もかもを含み、微妙で、そこにひとりであるもの。だからとてつもなく悲しい。天然の、匂い立つような甘い水分を含んだあの、かけねのない何か。 私は妹のあの笑顔に恋をしていた。
吉本 ばなな「アムリタ〈上〉 (新潮文庫)」に収録 amazon
痛いような笑顔だった。
吉本 ばなな「アムリタ(下) (新潮文庫)」に収録 amazon
彼女は、はじめて笑った。鼻の頭にすこししわを寄せて。並びのいい白い歯が見えた。人の心を 惹きつける、いじらしい笑顔だった。
吉本 ばなな「アムリタ(下) (新潮文庫)」に収録 amazon
彼は笑った。ささやかな花を咲かせたような、つつましい笑顔だった。
吉本 ばなな「アムリタ(下) (新潮文庫)」に収録 amazon
何もかもを押し広げてゆく、強い運命の笑顔。
吉本 ばなな「アムリタ(下) (新潮文庫)」に収録 amazon
会話の笑顔を引きずったまま、勲に「お帰り」と声をかけた。
雫井 脩介「火の粉 (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
屈託の影すらない笑顔
翔田 寛「真犯人 (小学館文庫)」に収録 amazon
鼻梁 にキュッと 小皺 を寄せて白い歯を見せた。
平野 啓一郎「マチネの終わりに (文春文庫)」に収録 amazon
おかしそうに目を三日月にした。
平野啓一郎「ある男」に収録 amazon
彼女はぴかっと音がするほど明るく笑い
吉本ばなな / サンクチュアリ「うたかた/サンクチュアリ」に収録 amazon
会う人すべてを包み込む笑顔
小川洋子「博士の愛した数式 (新潮文庫)」に収録 amazon
笑うと梨花さんの顔は、ぱっと華やかになる。
瀬尾 まいこ「そして、バトンは渡された (文春文庫)」に収録 amazon
(笑顔は)いちばん夫婦の関係が丸くよくなっている時期の人妻の、鷹揚でまったりとした顔だった。忘れられない。せっかく育てて開いたお花みたいなものだった
よしもとばなな / まぼろしハワイ「まぼろしハワイ」に収録 amazon
歯はほとんど欠けていました。がその二本の歯をむきだしにして彼は子供のように笑いました。
遠藤周作「沈黙(新潮文庫)」に収録 amazon
にっこり笑いました。その笑顔はまぶしいくらいに爽やかでした。
百田尚樹「永遠の0」に収録 amazon
顔一杯に笑いを拡げながら
野間 宏 / 暗い絵「暗い絵・顔の中の赤い月 (講談社文芸文庫)」に収録 amazon
あと 193 個の表現が登録されています
ログインして全部見る
ログインして全部見る
笑顔に関連のある感情
類似・関連の強い・参考になる表現 |
笑う微笑み・薄笑い笑い声(笑ったときにできる)えくぼ嘲笑・馬鹿にして笑う照れ笑い目を細める・細目 |
同じカテゴリの表現一覧
喜び の表現の一覧
表情・顔に表れた気持ち の表現の一覧
笑う・笑み の表現の一覧
感情表現 大カテゴリ