落ち着いた調子をわざと人々に見せびらかせているかのように、ゆっくりした声で調子を低めて言った。強い自尊心の破片がその声の中にはあった。
野間 宏 / 暗い絵「暗い絵・顔の中の赤い月 (講談社文芸文庫)」に収録 ページ位置:23% 作品を確認(amazon)
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遅口・ゆっくり口調
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前後の文章を含んだ引用
......、彼は小泉清の圧しつけるような神経を感じた。「問題はね、深見進介の内部にあるんではなくて、外部にありさ。」小泉清は、深見進介の射抜くような眼をじっと見返しながら落ち着いた調子をわざと人々に見せびらかせているかのように、ゆっくりした声で調子を低めて言った。強い自尊心の破片がその声の中にはあった。「甘い蒟蒻には顎の用心。」谷口順次が盤の上の飛車を大きく動かしながら言った。「ひとの悪口は、どうもわしゃ苦手やわいな、と。」横顔の薄い彼の顔は尖った鼻の部分がき......
単語の意味
自尊心(じそんしん)
自尊心・・・自分の考えや気持ちを大切にする心。自分という存在に誇りを持つ心。うぬぼれの気持ち。プライド。
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遅口・ゆっくり口調の表現・描写・類語(声・口調のカテゴリ)の一覧 ランダム5
説明の言葉がもどかしい、というように、彼はゆっくりと話した。
吉本 ばなな「アムリタ〈上〉 (新潮文庫)」に収録 amazon
落ち着いた調子をわざと人々に見せびらかせているかのように、ゆっくりした声で調子を低めて言った。強い自尊心の破片がその声の中にはあった。
野間 宏 / 暗い絵「暗い絵・顔の中の赤い月 (講談社文芸文庫)」に収録 amazon
一語一語を慎重に息でくるむような言い方
小川 洋子 / 余白の愛 amazon
無骨で無口な夫が、錆びた蝶番(ちょうつがい)をこじ開けるようにして言う
干刈 あがた / ゆっくり東京女子マラソン amazon
心のゆらぐ先をいちいち抑えるように言う
伊藤 整 / 青春 (1960年) amazon
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「声・口調」カテゴリからランダム5
絶え間なく客を呼ぶ声も、あたかも鳥の高音を張るように景気づいていた。
加能 作次郎 / 世の中へ amazon
底なし井戸に小石を投げ込んだような沈黙がしばらく続いた。石が底につくまで三十秒かかった。
村上 春樹「羊をめぐる冒険」に収録 amazon
この 闇 のようにただ黙っておられたのですか。
遠藤周作「沈黙(新潮文庫)」に収録 amazon
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