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そこに微妙な誤差が生じ、微妙な誤差はやがて深い溝となった。
村上 春樹「羊をめぐる冒険」に収録 ページ位置:13% 作品を確認(amazon)
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問題が悪化する・だめになる
蝕む・侵食する
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......まともで感じの良い人間であるという考え方にしっくり同化できそうな気がしたからだ。 もちろんはじめのうちはそれがうまくいった。しかし時が経ち酒量が増えるにつれて、そこに微妙な誤差が生じ、微妙な誤差はやがて深い溝となった。彼のまともさと感じの良さがあまりにも先に進みすぎて、彼自身にさえ追いつけなくなってしまったのだ。よくあるケースだ。しかし大抵の人間は自分自身をよくあるケースだと......
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問題が悪化する・だめになるの表現・描写・類語(失敗・損失のカテゴリ)の一覧 ランダム5
不安な赤いシグナルをめがけて突進しているような経済界の変動
徳永 直 / 太陽のない街 amazon
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蝕む・侵食するの表現・描写・類語(状態・状況のカテゴリ)の一覧 ランダム5
蚕に食われている桑の葉のように
小林多喜二 / 蟹工船
蚕が桑を食 むように噛 み入っている。
岡本かの子 / 母子叙情
夏目漱石 / 吾輩は猫である
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「失敗・損失」カテゴリからランダム5
こうした(自分の)ケガ、病気、不幸のすべてを、おれは楽しんできた。楽しめるのは、結局おれが自分の存在を周囲から他人のようにながめているからだろう。ながめているおれは、愚行を演じているおれを見て苦笑いしている。バナナの皮ですべって転んでいる男と、それを見て笑っている男が、同時におれの中にいるのだ。苦痛に対する耐性を得るために、無意識のうちに自分をふたつに裂いたのかもしれない。
中島 らも / 今夜、すベてのバーで amazon
(ソロコンサートで演奏が途中で止まるギタリスト)楽曲は、展開部の最後に差し掛かり、ベースラインの半音ずつの上昇を経て、最初の主題に戻ろうとする。まさにその刹那だった。 沈黙が、唐突に脇から彼を追い抜いて、行手に立ちはだかった。音楽が、その隙に彼の手から逃れ去った。何も聞こえなくなった。どういうわけか、しんとしていて、発熱した時間が、虚無のように澄んでいる。蒔野は、舞台の照明が目に入った時のように、その静寂を少し眩しいと感じた。額に汗が滲んだ。人混みで財布を 掏 られた人のように、彼は慌てて音楽を探した。手元にはただ、激しい鼓動と火照りだけが残されている。 聴衆は、突然、演奏が止まってしまったことに驚いていた。蒔野自身も呆然としていて、何が起きたのか、わかっていない様子だった。すぐに演奏に戻ろうとしたが、指はただ、指板の上をうろつくだけで途方に暮れた。蒔野はもう一度、驚いた顔をして、怪訝そうに、自分の左手を見つめた。 会場がざわつき始めると、彼は何も言わずに立ち上がって一礼した。客もどうしていいかわからなかったが、疎らに拍手が起きた。
平野 啓一郎「マチネの終わりに (文春文庫)」に収録 amazon
幼稚園にいきたての子どものようにかわいい失敗
灰谷 健次郎 / 太陽の子 amazon
「状態・状況」カテゴリからランダム5
まだまだ遠い他人事 の気持
梶井基次郎 / のんきな患者
川崎船が燻製鰊 のように、すっかり斜めにブラ下がってしまう
小林多喜二 / 蟹工船
押し問答のすえ、結局北村は承諾してしまった。
阿刀田 高 / 甲虫の遁走曲(フーガ)「ナポレオン狂 (講談社文庫)」に収録 amazon
めざましい民主主義の抵抗しがたい奔流は、それだけでも武士道の残滓を飲み込んでしまう勢いがある。
新渡戸稲造 訳:岬龍一郎「いま、拠って立つべき“日本の精神” 武士道 (PHP文庫)」に収録 amazon
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