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町の入口で男に別れると、体中を冷たい風が吹き荒れるような気がした。
林芙美子 / 新版 放浪記 ページ位置:34% 作品を確認(青空文庫)
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出会いと別れ
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......んで歩いていると、男も犬のように何時 までも沈黙って私について来た。 「おくってなんかくれなくったっていいんですよ。そんな目先きだけの優しさなんてよして下さい。」 町の入口で男に別れると、体中を冷たい風が吹き荒れるような気がした。会ったらあれも言おう、これも言おうと思っていた気持ちが、もろく叩きこわされている。東京で描いていたイメージイが愚にもつかなかったと思えて、私はシャンと首をあげる......
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西と東に訣 れた。
岡本かの子 / 東海道五十三次
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小川さんたちの無視が静かなものだったせいか、私は思ったほどには傷つけられずに済んだ。 時折吐き捨てられる「死ね」「きもい」という言葉だけが、しんしんと、教室の中を降ってくる。その言葉は、静かに、私の内側に降り積もっていく。 その雪みたいな言葉たちと、無視という沈黙。私がされたのはそれだけで、何かとからかわれて標的にされている馬堀さんに比べれば、随分とラッキーだった。 枠から外れてみると、学校は随分と静かな世界だった。あんなに賑やかだった休み時間の騒ぎ声も、テレビの砂嵐のような意味のない雑音に変わった。 騒がしくてあわただしい教室の中で、私の時間だけが、やけにゆっくりと流れていた。
村田 沙耶香「しろいろの街の、その骨の体温の」に収録 amazon
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