TOP > 暮らしの表現 > 人間関係・地位 > 出会いと別れ
交差点で別れた。私を降ろすと、じゃあね、と言ってすーっと行ってしまった。あまり静かな別れだったので気が抜けて、振り向きもせずに路地を入ろうとしたら、クラクションの音がした。 振り向くとUターンして通りの反対側の信号のところで、窓を開けて萃が笑って手を振っていた。
吉本 ばなな「N・P (角川文庫)」に収録 ページ位置:37% 作品を確認(amazon)
この表現が分類されたカテゴリ
出会いと別れ
しおりに登録する
前後の文章を含んだ引用
......にいたくせに、今頃出てきてしゃべったりして。私まで本の中に入っちゃったみたい。」 私は言った。「危険な兆候ね。」 彼女は笑った。 初めに降ろしてもらうはずだった交差点で別れた。私を降ろすと、じゃあね、と言ってすーっと行ってしまった。あまり静かな別れだったので気が抜けて、振り向きもせずに路地を入ろうとしたら、クラクションの音がした。 振り向くとUターンして通りの反対側の信号のところで、窓を開けて萃が笑って手を振っていた。 赤い空の下、南国のフルーツみたいな笑顔をしていた。 今日初めて会ったとは。 ずうっと一緒にいたような気がした。 子供のときから、いろんなときにいろんなことを話......
ここに意味を表示
出会いと別れの表現・描写・類語(人間関係・地位のカテゴリ)の一覧 ランダム5
改札口で加代ちゃんを見送ったときは笑顔を保てたのに、一人でぽつんと取り残されると急に寂しさが込み上げてきました。
湊 かなえ「花の鎖 (文春文庫)」に収録 amazon
心斎橋筋の人波の中で、弘美は振り返って何度も手を振り頭を下げた。姿が見えなくなると、邦彦は不思議な寂しさを感じた。もう二度と逢うことのない人が、いままさに去って行ってしまったという 寂寥 感 であった。
宮本 輝「道頓堀川(新潮文庫)」に収録 amazon
町の入口で男に別れると、体中を冷たい風が吹き荒れるような気がした。
林芙美子 / 新版 放浪記
宇宙の暗い空間に浮かぶ二つの遊星のようにごく自然に引き合い、そして離れていく
村上 春樹 / ダンス・ダンス・ダンス(上) amazon
このカテゴリを全部見る
「人間関係・地位」カテゴリからランダム5
彼女は他者の存在がハリボテのように感じられ
島田 雅彦 / ドンナ・アンナ amazon
同じ男の子を好きになって、ちょっと気まずくなった
吉本 ばなな「アムリタ〈上〉 (新潮文庫)」に収録 amazon
同じカテゴリの表現一覧
人間関係・地位 の表現の一覧
暮らしの表現 大カテゴリ