雪こそ降っていなかったが、曇り空で風が冷たく、自然と速くなる革靴の 跫音 が、アスファルトの歩道に、乾いた硬い音を響かせていた。
平野啓一郎「ある男」に収録 ページ位置:62% 作品を確認(amazon)
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冬
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前後の文章を含んだ引用
......異というわけではなかったが、小見浦に限っては、やはり意外な感じがした。 年の瀬も迫った十二月二十九日に、城戸は小見浦に会うために、再び横浜刑務所まで足を運んだ。雪こそ降っていなかったが、曇り空で風が冷たく、自然と速くなる革靴の跫音が、アスファルトの歩道に、乾いた硬い音を響かせていた。 事務所は前日で正月休みに入っていて、電車もそろそろ人が少なくなりつつあった。こんな時期に刑務所に来たこともなかったので、幾らか感傷的な気分になった。 年の瀬の......
単語の意味
曇り空(くもりぞら)
曇り空・・・曇っている空。
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春、 未だ地面に雪の残っている頃だった。
直哉, 志賀「暗夜行路 (新潮文庫)」に収録 amazon
晴れ切った夜空に、冬の名残に響くばかり冴えた星斗が落ちて散らばる
久米正雄 / 学生時代 amazon
金星が寒い夕空に光っていた。
吉本 ばなな「アムリタ〈上〉 (新潮文庫)」に収録 amazon
広い窓の外、冬の初めのグレーが街を覆っているのを見つめていた。 この小さな街のすべての部分に、公園に、路に、霧のようにしみとおる冬の重い冷気を支え切れない。押されて息ができない。
吉本 ばなな / 満月 キッチン2「キッチン (角川文庫)」に収録 amazon
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