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狂気にとり憑かれた殺人者
沼田 まほかる「彼女がその名を知らない鳥たち (幻冬舎文庫)」に収録 ページ位置:72% 作品を確認(amazon)
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異常犯罪
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......があるのだ。 陣治への思慕――のようなもの――が、突然、無視できない烈しさで胸に迫り上がってくる。行き場のない嘲笑に唇が歪む。気味の悪いどぜうみたいな男なのに、狂気にとり憑かれた殺人者かもしれないのに、と一方では考えながら、それでもセンチメンタルな哀しみを持て余してしまう。嘲笑いながら持て余してしまう。 寒さが沁み込んでくる。 いつのまにか、......
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