小降りになったり 烈しく吹きつのったりしながら、雪はいっこうにやむ気配を見せなかった。道行く人はみな 外套 を白く染め、身を 屈めて急いでいた。
宮本 輝 / 螢川「螢川・泥の河(新潮文庫)」に収録 ページ位置:31% 作品を確認(amazon)
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雪
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前後の文章を含んだ引用
......道を歩いていった。この雪が融けたら春になって、自分は中学の三年生になって、一所懸命勉強をしなければいけないのだと思った。不思議な昴ぶりが竜夫の足を早めていた。 小降りになったり烈しく吹きつのったりしながら、雪はいっこうにやむ気配を見せなかった。道行く人はみな外套を白く染め、身を屈めて急いでいた。 竜夫は雪を蹴った。彼は生まれて初めて、この陰鬱に降りつづく雪を憎んでいた。雪煙が、強く吹いている風にあおられて竜夫の顔や胸にかかった。いたち川のはるか上流に降......
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雪が街の音を吸い込みながらいつまでもいつまでも降り続けていた。音というものがまるで聞こえなかった。
村上 春樹 / ダンス・ダンス・ダンス(上) amazon
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白い粒が空から落ちてくる。花火を見ているときみたいに、街全体が白い結晶の中に吸い込まれていく感じがする。
村田 沙耶香「しろいろの街の、その骨の体温の」に収録 amazon
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