短くなった煙草を捨てようとしない。尖らせた口の先で大切そうにつまんで吸っている。
沼田 まほかる「彼女がその名を知らない鳥たち (幻冬舎文庫)」に収録 ページ位置:98% 作品を確認(amazon)
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タバコ
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前後の文章を含んだ引用
......で、もう生きてとうない」 思い出さなければよかった。水島に会わなければよかった。その思いが何度も揺れもどってきて十和子をのみ込もうとする。「俺が助ける」 陣治は短くなった煙草を捨てようとしない。尖らせた口の先で大切そうにつまんで吸っている。「あのナイフ返して」「あかん」 十和子の手を捉えたまま、もう一度吸う。深く吸いながらいかにもうまそうに、しわの寄った黒いまぶたを閉じる。いったん息を止め、薄目を......
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タバコの表現・描写・類語(道具・家具のカテゴリ)の一覧 ランダム5
パイプをみがきあげると胸のポケットからモロッコ皮の煙草袋をとりだし、焼香するような手つきで葉をひとつまみずつ火皿へつめこんだ。
開高 健 / パニック「パニック・裸の王様 (新潮文庫)」に収録 amazon
火をつけると、この煙草特有の紙臭い臭いがたちこめ、それが炭火の臭気とまざって勝呂の胸をムカムカとさせた。
遠藤 周作「海と毒薬 (角川文庫)」に収録 amazon
じゅうじゅうと音をさせて煙草を呑 んでいた
梶井基次郎 / 城のある町にて
二、三服、口をとがらせて煙を吐く
遠藤周作「沈黙(新潮文庫)」に収録 amazon
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「道具・家具」カテゴリからランダム5
ピンのように尖った靴
山田詠美「新装版 ハーレムワールド (講談社文庫)」に収録 amazon
獣の巣のように敷きっぱなしになっている寝床
吉行 淳之介 / 鳥獣虫魚 (1977年) amazon
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