(河の)塵芥 に混って鳩の死んだのがまるで雲をちぎったように流れていっていた。
林芙美子 / 新版 放浪記 ページ位置:53% 作品を確認(青空文庫)
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流れ
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前後の文章を含んだ引用
......深いひさしの下を歩いている。芝居小屋の前をすぎると長い木橋があった。海だろうか、河なのだろうか、水の色がとても青すぎる。ぼんやり立って流れを見ていると、目の下を塵芥 に混って鳩の死んだのがまるで雲をちぎったように流れていっていた。旅空で鳩の流れて行くのを見ている私。ああ何もこの世の中からもとめるもののなくなってしまったいまの私は、別に私のために心を痛めてくれるひともないのだと思うと、私は......
単語の意味
塵芥(ちりあくた・ごみあくた・じんかい)
鳩・鴿(はと)
塵芥・・・塵(ちり)やごみ。値打ちのないもののたとえ。「芥(あくた)」とはごみのこと。「塵」と「芥」はどちらも訓読みで「ごみ」とも読める。
鳩・鴿・・・ハト科の鳥の総称。ほとんど全世界に分布し、人家の近くにも住む中形の鳥。目は丸く、嘴(くちばし)は短くて厚みがあり、体はずんぐりしていて胸は張る。翼の力が強く、飛翔力が大きい。帰巣本能を利用して、遠距離通信にも用いられる。また、平和の象徴とされる。種類が多く、およそ300品種ほど。
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流れの表現・描写・類語(状態・状況のカテゴリ)の一覧 ランダム5
(河の)塵芥 に混って鳩の死んだのがまるで雲をちぎったように流れていっていた。
林芙美子 / 新版 放浪記
性根の悪い色をした青黒い水が、油のようにむうと流れる
内田 百けん / 冥途 amazon
川波のように流れていった。
横光利一 / 日輪
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大きい束髪に風を入れていた。
林芙美子 / 新版 放浪記
めざましい民主主義の抵抗しがたい奔流は、それだけでも武士道の残滓を飲み込んでしまう勢いがある。
新渡戸稲造 訳:岬龍一郎「いま、拠って立つべき“日本の精神” 武士道 (PHP文庫)」に収録 amazon
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