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それは姿のいい、動作の静かないかにも女らしい感じを多分に持った女だった。
直哉, 志賀「暗夜行路 (新潮文庫)」に収録 ページ位置:8% 作品を確認(amazon)
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美人・美しい女 魅力的ないい女(内面)
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前後の文章を含んだ引用
......も一緒に降りて行った。石本は、「今、客が帰ったところだが、少し晩すぎるから今度誘ってくれないか」と云った。今は謙作もそう失望しなかった。 十分程して小稲が来た。それは姿のいい、動作の静かないかにも女らしい感じを多分に持った女だった。謙作は入って来た瞬間その女を非常に美しく思った。小稲は入った処で一度膝をついて挨拶してから、又起って、「登喜ちゃん今晩は」と微笑しながら、餉台の側へ来て並んで坐......
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姿・形・容・態・躰・體・軆・骵(すがた)
姿・形・容・態・躰・體・軆・骵・・・1.身体の形。からだつき。人のからだの格好。衣服をつけた外見のようす。
2.身なり。容姿。
3.目に見える、人の形。人の存在。
4.物の、それ自体の形。物一つ一つの全体的な印象。
5.物事のありさまや状態。事の内容を示す様相。
以下の文字は訓読みで、「すがた」と読める。
[形・容・態・躰・軆・體・骵]
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少しるそうな美しい娘
岡本かの子 / 母子叙情
加奈子は、美しい花が、あやぶい風に吹き廻されるような美観で
岡本 かの子 / 春「岡本かの子全集 (第2巻)」に収録 amazon
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(入院中の爺さんをお見舞いに来て爺さんに怒鳴られて)老婦人は顔を伏せてちぢこまっているが、別にしょんぼりしている様子でもない。四十年も五十年もこの調子でどなりつけられてきて、何も感じなくなっているのだろう。《…略…》 (婆さんが言う)「すみませんねえ。うるさい、きたない年寄りで……」 テーブルの下の棚から、やっと「突き匙」が出てきたときには、吉田老は怒り過ぎたのか、いささかぐったりとしていた。姿勢をしゃんと正さず、半分起きた状態で果物を口に運ぶために、喉仏から鎖骨のあたりに果汁がぼたぼたこぼれ落ちる。婆さんはそれを見て、またしきりに〝きたない〟〝きたない〟と繰り返すのだった。 最初のうち、おれはこの老夫婦の会話をほほえましく聞いていたのだ。昔ながらの封建的だが駄々っ子のような亭主と忍従型の老妻とのやりとりとして。 誤算だった。 婆さんの顔は、押さえきれない喜びに輝いていた。 婆さんは、いまやじっくりと復讐を楽しんでいるのだった。愚鈍を装って、傲慢な夫の神経に、一本一本細い針を突き立てている。ののしられ、婢(はしため)あつかいされ続けたこの半世紀の間、婆さんはじっとこの日を待ち続けて耐えてきたのだろう。いまや、吉田老に残された武器は、どなり慣れた口だけだ。それも所詮は空砲だ。婆さんはいま、案山子の正体を知ったカラスになって、じわじわと一本足の吉田老に近づいていくのだった。
中島 らも / 今夜、すベてのバーで amazon関連カテ復讐・仕返し・見返す患者・病人・けが人夫婦
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