（肌は）粉を吹いたように乾燥している。
小川洋子 / 揚羽蝶が壊れる時「完璧な病室 (中公文庫)」に収録 ページ位置：0% 作品を確認（amazon）
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肌の乾き・湿り
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......早く帯紐を抜き取る。寝巻の前を開けると、さえの白く濁った膚が覗く。細い肋骨に張り付いた皮膚は、紙のように強張っている。首筋から胸にかけて薄茶色の染みが散らばり、粉を吹いたように乾燥している。腰骨の間に落ち込んだ腹が微かに上下している。敷き布団にぴったり吸い付いているさえの身体から、剥ぎ取るようにして寝巻を脱がせる。彼女の体液のにおいを含んだぬくもり......
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白く乾き鱗のように皮膚が剥けて
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（女の）香をたきこめた絹のような柔肌
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