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お帰り、という言葉を十和子からまんまと引きだす陣治が憎い。大切なものを盗み取られている気分だ。
沼田 まほかる「彼女がその名を知らない鳥たち (幻冬舎文庫)」に収録 ページ位置:7% 作品を確認(amazon)
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答える・返事をする
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......しまう。 ドアの鍵穴に鍵が差し込まれる音がする。穢い咳が帰ってくる。「ただいまぁ」 お帰り、と投げやりに答えるときには、いつも不快感は沸点近くまで高まっている。お帰り、という言葉を十和子からまんまと引きだす陣治が憎い。大切なものを盗み取られている気分だ。たまたま一緒に住んでいるからといって、身体の関係があるからといって、経済的に頼っているからといって、この陣治に、ただいま、などと言われたいわけがない。ただいまは......
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答える・返事をするの表現・描写・類語(言葉を交わすのカテゴリ)の一覧 ランダム5
「こないだうちは利いたのだよ、この頃は利かないのだよ」と対句 のような返事をする。
夏目漱石 / 吾輩は猫である
カバのあくびみたいに「べーつにー」と返事をする
岡田 なおこ / 薫ing(イング) amazon
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「言葉を交わす」カテゴリからランダム5
混じり合った種類の異る豆を選りわけるみたいに、間を取って用心深く言葉を選んだ。
村上 春樹 / 1Q84 BOOK 3 amazon
その声は、痰 に絡まれたようになって二三度上ったり下ったりしたまま、咽喉 の奥の方へ落ち込んで行った。
夢野久作 / ドグラ・マグラ
サンショ、やっぱり山じゃ生きていけないんじゃないですか。このあいだ、喫茶店を出たところで、私はそう言いかけた。けれど、なぜか直前で唇の形が崩れ出し、私も今度ナポリタンにしてみます、と全然関係ないことを言って、そのまま別れてしまったのだった。
本谷 有希子 / 異類婚姻譚 amazon
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