漠然とした不安として胸に巣食った
横山 秀夫「クライマーズ・ハイ (文春文庫)」に収録 ページ位置:4% 作品を確認(amazon)
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不安になる
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前後の文章を含んだ引用
......もしれない。幼い頃、父は蒸発したのだと泣き腫らした目の母に聞かされた。蒸発という言葉がひどく恐ろしいものに感じられた。呑み込むことも消化することもできず、それは漠然とした不安として胸に巣食った。どこでどうしているかも知れない。生きているのか死んでいるのかすらわからない。なぜ父は家を出たのか。母に聞くのは躊躇われた。家には父の写真一枚なかった。戦争で父......
単語の意味
胸(むね)
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その確信に近い堅固な思いの中に、細い 罅(ひび) のようになって不安が走り抜けていくのを自分でもどうすることもできなくなった。
小池真理子「愛するということ (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
麻痺 したような鈍い不安が胸に 澱んでいる。
平野 啓一郎「マチネの終わりに (文春文庫)」に収録 amazon
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「不安」の言葉を含む恐怖の表現・描写・類語(恐怖・不安のカテゴリ)の一覧 ランダム5
気にするほどのこともないと思い込もうとすればするほど、不安の塊は膨張していった。
小川洋子「博士の愛した数式 (新潮文庫)」に収録 amazon
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胸で恐怖を感じるときの表現・描写・類語(恐怖・不安のカテゴリ)の一覧 ランダム5
葉子の胸を押しひしぐように狭 めたものは、底のない物すごい不安だった。
有島武郎 / 或る女
溝の中に吐いた。壁に左手をつき、右手の指を喉の奥へ突っ込むと、すぐに腹の筋肉が痙攣して生暖い液体が出てくる。胸や腹が波を打つたびに、喉と口に酸っぱい塊が溜まり、舌で押すと、歯茎を痺れさせて水の中へボトボト落ちていく。
村上 龍 / 限りなく透明に近いブルー amazon
嫌な予感が胸のあたりに充満しはじめる。
伊坂 幸太郎「陽気なギャングが地球を回す (祥伝社文庫)」に収録 amazon
黒い疑惑が胸の中にむらくものように湧く
胡桃沢 耕史 / ごきぶり商事痛快譚 (1) amazon
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「恐怖・不安」カテゴリからランダム5
濃霧に塞がれた森の中へ踏み込むような一種の不安
長塚 節 / 土 amazon
鋭敏な馬の皮膚のようにだちだちと震える青年の肩
有島武郎 / 或る女
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