神去山の山頂から、白い雲がいっせいになだれ落ちていた。いや、雲じゃなく霧だ。すごく濃い霧が波のように斜面を下り、瞬く間に集落まで押し寄せていく。
三浦 しをん「神去なあなあ日常 (徳間文庫)」に収録 ページ位置:44% 作品を確認(amazon)
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霧・かすみ・もや
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前後の文章を含んだ引用
......けっこう高い位置まで登ってきていた。「おい、神おろしや」 三郎じいさんが緊張をはらんだ声を出したので、俺は鎌を振るう手を止めた。ヨキは神去山のほうを見ている。 神去山の山頂から、白い雲がいっせいになだれ落ちていた。いや、雲じゃなく霧だ。すごく濃い霧が波のように斜面を下り、瞬く間に集落まで押し寄せていく。 全員がなんとなく、清一さんのもとに集まった。ヨキが小声で鋭く、「ノコ!」と呼ぶ。斜面で遊んでいたノコが駆けてくる。気のせいかもしれないけど、尻尾の巻きがいつに......
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