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霧・かすみ・もやの表現・描写・類語
濃い乳白色の霧の厚い層の向こうに、ひそかなバラ色の明るみがある
大江健三郎 / 芽むしり仔撃ち amazon
雨滴と見紛うばかりの大粒の霧が山を包む
畑 正憲 / 天然記念物の動物たち amazon
往き来の人や車が、幻影のように現れては幻影のように霧のうちに消える
国木田 独歩 / 武蔵野 amazon
路地の暗がりから亡霊のようにふっと出現した女
阿部 昭 / 阿部昭集〈第4巻〉父と子の夜 無縁の生活 ほか amazon
霧が谷に満ち、大きく渦を巻くようにして動く
高井 有一 / 北の河 amazon
時折、切れ切れの霧が窓をかすめて、沿線風景を墨絵のようにぼかす
内田 康夫 / 釧路湿原殺人事件 amazon
絵の具のような灰色の霧が視界を閉ざす
加賀 乙彦 / フランドルの冬 amazon
白い靄(もや)の中に重なり合った帆柱やクレーンが、工場地帯の煙突のように見える
吉行 淳之介 / 砂の上の植物群 amazon
動いている人が影のように見え、次第に霧に呑まれて薄らいでいく
大仏 次郎 / 雪崩 (1953年) amazon
女が布をゆっくりと振っているような霞が揺れる
辻井 喬 / 暗夜遍歴 amazon
春の霞が薄く被衣のようにかかる
田山 花袋 / 田舎教師 amazon
島々が霞の奥に浮いているように見える
国木田 独歩 / 武蔵野 amazon
深くなった乳色の靄が、木立に絡まるように漂う
原田 康子 / 挽歌 amazon
霧が林の梢の方から躊躇っているようにように降りて来る
辻井 喬 / 暗夜遍歴 amazon
大小の木々が不意打ちに、白紙に一気に描きあげたように形を成す
加賀 乙彦 / 海霧 amazon
霧が剥ぐように消える
本庄 陸男 / 石狩川〈上〉 amazon
霧に濡れた線路が冷たく光を放つ
加賀 乙彦 / フランドルの冬 amazon
霧が無数の捲き毛となって流れている
加賀 乙彦 / 海霧 amazon
霧が地の底から湧くように窪地から這い上がる
原田 康子 / 挽歌 amazon
切れ切れの霧が窓をかすめて、沿線風景を墨絵のようにぼかす
内田 康夫 / 釧路湿原殺人事件 amazon
海霧で川もお花畑も乳白色に漬かる
加賀 乙彦 / 海霧 amazon
夜霧がプラットフォームの灯りの周囲にこまかい虫のように動く
大仏 次郎 / 雪崩 (1953年) amazon
夜は暗く霧は重く、はてのない沼のよう
国木田 独歩 / 武蔵野 amazon
凍ったような層の厚い靄が、いく手の道路を黝(くろ)ずんだ灰色に暈(ぼか)す
野上 弥生子 / 真知子 (1951年) amazon
霧が切れると、森も草原も水晶の粉をまいたようにキラめく
加賀 乙彦 / 海霧 amazon
黄色いスープのような靄におおわれる
北 杜夫 / さびしい乞食 amazon
白い霧が濛々と渦巻くばかり-。その感覚は胸をキュンと締めつけるほど不気味なものだった。影をもたない人間を見てるように。
石坂 洋次郎 / 山のかなたに amazon
霧の中に村の全景が墨絵のようにひろがっている。
尾崎 士郎 / 人生劇場 青春篇 amazon
風が霧の流れを幕のようにはためかせて傍若無人に吹きちぎっていく。
石坂 洋次郎 / 山のかなたに amazon
濃いふんわりした褥(しとね)のような霧だった。
深田 久弥 / 四季の山登り (1963年) amazon
動物のように口の中へしのびこみ膨れあがる霧に喉をくすぐられて
大江 健三郎 / 死者の奢り amazon
朝霧がうすく地上を這って、古川堤に三人の影法師が夢のようにうかびあがった。
尾崎 士郎 / 人生劇場 青春篇 amazon
靄は月光を吸いちょうど荒絹のようにぼんやりと照っていた。
檀 一雄 / 花筐「花筐―初期作品集 (1979年)」に収録 amazon
広い東京市中が、海のような濛靄(もや)の中に果てもなく拡がって見えたり
徳田 秋声 / 足迹 amazon
うすいこの頃の牛乳みたいな、朝もや
サトウ ハチロー / 青春風物詩「青春風物詩―ハチロー半生記 (1952年) (ユーモア小説全集〈第3〉)」に収録 amazon
夕靄(ゆうもや)が屋根に下がって、家々は頭を截(き)りとられたごとく看(み)えた
瀧井 孝作 / 無限抱擁 amazon
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