山の表現・描写・類語
川の左に聳(そび)える荒削りされたような山
菊池 寛 / 恩讐の彼方に amazon
海に向かって開いた奥深い谷の真ん中をめがけて、牛がのさばりでたような格好をしている峰
中 勘助 / 銀の匙 amazon
影絵のように向こうの白い山はだに影が映る
遠藤 周作 / 何でもない話 amazon
山々の黒い影が闇よりもずっしりと重い
吉本 ばなな / キッチン amazon
山の姿が額縁に収められたようにストンと極(きま)る
高井 有一 / 夜の蟻 amazon
両肩が見事な曲線を描いている霊峰
村松 友視 / 由比正雪 amazon
山の姿が、淡墨で刷いたように霧につつまれる
徳田 秋声 / あらくれ amazon
雲の影が斜面の上に落ちると、その部分だけ獣の肌のように、くすんだ滑らかさに変わる
中村 真一郎 / 夜半楽 amazon
夕日を受けると少し冷たい鉱石のように鈍く光る山
川端 康成 / 雪国 amazon
稲穂の実り豊かに垂れている田の彼方に、濃藍色に聳(そび)える山々の線
横光 利一 / 厨房日記 amazon
周囲に山をめぐらした盆地そのものが、冷たい藍色の大気を湛えた水槽のよう
大仏 次郎 / 雪崩 (1953年) amazon
ひんやりとした山の静寂が冷え冷えと身肌に迫る
福永 武彦 / 草の花 amazon
波濤のように起伏した皺の多い山の麓
田山 花袋 / 田舎教師 amazon
無口な温情をもって見守ってくれる 「お山」
石坂 洋次郎 / お山「わが日わが夢 (1959年) (新潮文庫)」に収録 amazon
硯を立てたような山容である。
林 芙美子 / 浮雲 amazon
浅間山が眠れる獅子の静けさに居る。
正木不如丘 / 木賊の秋 amazon
灰色に曇った空のなかに象嵌したような雪の浅間山が見えて来た。
堀 辰雄 / 菜穂子 amazon
(山が)ドッシリ腰を下したといった感じでそびえている。
深田 久弥 / 四季の山登り (1963年) amazon
バケツを伏せたような峯が聳えている。
夏目 漱石 / 草枕 amazon
嶮岨(けんそ)な峰と峰とが襟を重ねたように重畳している。
近松 秋江 / 狂乱 amazon
臥した牛の背のように悠揚として空に曳くながい稜線
森 敦 / 月山 amazon
赤い火の色が麓の方へ降りて行って、山の姿の半分位までが、明るく光り出した時分には、要の頂上は、瑪瑙(めのう)を磨き立てた様な色になっていた。
内田 百けん / 東京日記「東京日記 他六篇 (岩波文庫)」に収録 amazon
丘をひとつ越すと、夢のようなうつくしい山間がある。
阿川 弘之 / 雲の墓標 amazon
櫛を並べたように稜線を透かした立ち木
森 敦 / 月山 amazon
上信越道に乗ってしばらくすると、連なる山々が見えた。秋晴れの空がこれでもかというほど青く高いせいで、山並みの輪郭がくっきりと浮かび上がり、目の前にずんずん迫ってくるようだった。
本谷 有希子 / 異類婚姻譚 amazon
大きい鏃 に似た槍 ヶ岳 の峯
芥川龍之介 / 河童 青空文庫
山の生き物は、山のもの。山での出来事は、神さまの領域。お邪魔してるだけの人間は、よけいなことには首をつっこまない。
三浦 しをん「神去なあなあ日常 (徳間文庫)」に収録 amazon
(植林した山)ひとつの山でも、日当たりや土の状態を見て、杉とヒノキの両方を植林することがある。土が瘦せていて日当たりが多少悪いほうが、杉にとってはいい。だからたいてい、八合目より下に植える。反対にヒノキは、山のうえのほうに植える。水はけと日当たりがいい場所を好み、杉よりは寒さや雪に強いからだ。
三浦 しをん「神去なあなあ日常 (徳間文庫)」に収録 amazon
あやまって海に落ち込んだ悪魔が、肉付きのいい右の肩だけを波の上に現わしている
有島武郎 / 生まれいずる悩み 青空文庫
一連の山波が、地平から力強く伸び上がってだんだん高くなりながら
有島武郎 / 生まれいずる悩み 青空文庫
幾度見てもあきる事のない山のたたずまい
有島武郎 / 生まれいずる悩み 青空文庫
青々とした美しい山肌がその遠目鏡で見ると、樹木がまばらで野猪の皮膚のようであった。
宮本百合子 / 伸子 青空文庫
どこまでも撫 で肩 の柔かい線
岡本かの子 / 東海道五十三次 青空文庫
二つの溪の間へ楔子 のように立っている山
梶井基次郎 / 蒼穹 青空文庫
(雪をまとった山)くもの巣のように白をまとった山々がしんと存在していた。
吉本ばなな / うたかた「うたかた/サンクチュアリ」に収録 amazon
(山が)象の 頭 に似ている
直哉, 志賀「暗夜行路 (新潮文庫)」に収録 amazon
向うの山々が鋭い剣のような姿をみせ
遠藤周作「沈黙(新潮文庫)」に収録 amazon
夕靄 の中、山は 蒼 黒く、まるで女のふくらんだ胸のような形で拡がっている。
遠藤周作「沈黙(新潮文庫)」に収録 amazon
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