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夕靄 の中、山は あお ぐろく、まるで女のふくらんだ胸のような形で拡がっている。
遠藤周作「沈黙(新潮文庫)」に収録 ページ位置:46% 作品を確認(amazon)
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前後の文章を含んだ引用
......足を浸したまま、両手で舟ばたを持って眼をつぶり、司祭は溜息をついた。 舟がゆっくり動きだした時、彼は今朝まで自分が放浪していた山をくぼんだ眼でぼんやり見つめた。夕靄の中、山は蒼黒く、まるで女のふくらんだ胸のような形で拡がっている。視線をふたたび砂浜に戻すと、そこに乞食のような身なりをした男が一人駆けていた。駆けながら何かを叫び、叫びながら足を砂にとられて転ぶ。自分を売った男である。 キチ......
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夕靄(ゆうもや)
胸(むね)
夕靄・・・夕方に辺りを覆う靄(もや)。
・・・1.体の前面で、首と腹との間の部分。また、その内側にある心臓や肺臓、胃などの内臓。
2.(胸に宿るとされている、)心。想い。心中。
3.乳房(ちぶさ)。おっぱい。
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