夕靄 の中、山は 蒼 黒く、まるで女のふくらんだ胸のような形で拡がっている。
遠藤周作「沈黙(新潮文庫)」に収録 ページ位置:46% 作品を確認(amazon)
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山
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前後の文章を含んだ引用
......足を浸したまま、両手で舟ばたを持って眼をつぶり、司祭は溜息をついた。 舟がゆっくり動きだした時、彼は今朝まで自分が放浪していた山をくぼんだ眼でぼんやり見つめた。夕靄の中、山は蒼黒く、まるで女のふくらんだ胸のような形で拡がっている。視線をふたたび砂浜に戻すと、そこに乞食のような身なりをした男が一人駆けていた。駆けながら何かを叫び、叫びながら足を砂にとられて転ぶ。自分を売った男である。 キチ......
単語の意味
夕靄(ゆうもや)
胸(むね)
夕靄・・・夕方に辺りを覆う靄(もや)。
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内側に闇を含んだように緑の濃い山の頂
高井 有一 / 夜の蟻 amazon
山の生き物は、山のもの。山での出来事は、神さまの領域。お邪魔してるだけの人間は、よけいなことには首をつっこまない。
三浦 しをん「神去なあなあ日常 (徳間文庫)」に収録 amazon
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「地上・陸地」カテゴリからランダム5
パリはシャンペンみたいに魅力的で、小粋で、そしてこはく色の恋の町だ。
石井 好子「東京の空の下オムレツのにおいは流れる (河出文庫)」に収録 amazon
岬がなだらかに女の腕のような線を描いてのびている。
安岡 章太郎 / 海辺の光景 amazon
羞恥心のない女の背のようなくぼみのある丘
野間 宏 / 暗い絵「暗い絵・顔の中の赤い月 (講談社文芸文庫)」に収録 amazon
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