西嶋が投げたボールは、レーンの右寄りの位置から綺麗に回転しながら進み、半分を越えたあたりで、緩やかに左側に曲がりはじめる。カーブなのかフックなのかは判然としないが、とにかく曲がる。その曲がり方は期待を持たせる膨らみを伴っていたが、結局は、一番ピンを行き過ぎ、横のピンに当たった。左側が抉られたように、ピンが残った。
伊坂 幸太郎 / 砂漠 ページ位置:11% 作品を確認(amazon)
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ボーリング
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......った。二日前のフォームとはずいぶん違っていたからだ。安定した投げ方だった。東堂は近くにあった椅子に、腰を下ろす。椅子の位置は高く、レーンの様子がよく見渡せた。 西嶋が投げたボールは、レーンの右寄りの位置から綺麗に回転しながら進み、半分を越えたあたりで、緩やかに左側に曲がりはじめる。カーブなのかフックなのかは判然としないが、とにかく曲がる。その曲がり方は期待を持たせる膨らみを伴っていたが、結局は、一番ピンを行き過ぎ、横のピンに当たった。左側が抉られたように、ピンが残った。首を捻りながら西嶋は戻ってくる。おかしいなあ、という顔だ。そして、椅子に置いた本を手に取り、じっくりと読みはじめた。 ボウリングの教本だ、とは見当がついた。 西......
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ボーリングの表現・描写・類語(スポーツのカテゴリ)の一覧 ランダム5
レーンの右寄りの場所から転がり出したボールは、ガーターの溝と平行に、綱渡りを楽しむかのように、まっすぐ転がった。床を走るボールは、ほどなく、急に肩の力を抜くように、方向を変え、左へと曲がった。 いったん、回転を止めるような素振りを見せると、直線方向へ、つまり、ピンの正面へと、向かった。まるで、そこへのレールが敷かれていたかのように、ボールは一番ピンと二番ピンの間に、吸い込まれる。 弾いた。ボールはピンを飛ばし、自ら弾けた。叫喚するような音が、レーンの先から響いた。
伊坂 幸太郎 / 砂漠 amazon
絶望の象徴とも言えるスプリット
伊坂 幸太郎 / 砂漠 amazon
ピンが弾き飛ぶ音が心地良く、自分の身体の中がその音で掃除でもされるかのようだった
伊坂 幸太郎 / 砂漠 amazon
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「スポーツ」カテゴリからランダム5
選手たちの表情には、ただならぬものがあった。ボールの奪い合い方にも、ぶつかり合い方にも、スポーツというよりケンカに近い、反則すれすれのつばぜりあいが見られるのだった。 もつれて転倒し、 睨み合って立ちあがり、いまにもつかみかからんばかりの形相で向かい合う選手と選手の足元に、ボールが仲裁に入るように転がっていく。審判員のホイッスルが響いて、かろうじて均衡が保たれる。
宮本 輝「道頓堀川(新潮文庫)」に収録 amazon
(走る馬を停止させる)身をのけざまに翻して、片手の手綱 を、ぐいと引いた。見る見る、馬の頭 が、向きを変える。と、また雪のような泡 が、栗毛 の口にあふれて、蹄 は、砕けよとばかり、大地を打った。
芥川龍之介 / 偸盗
(ゴルフの球)音が、白い線をひいてとんでいく。
丹羽 文雄 / 顔 amazon
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