燕が、地面すれすれを滑空し、舞い上がり、高く空に消えた。おれたちは飛べるのだと、羽根のない動物に見せつけているようだ。
あさの あつこ「ガールズ・ブルー (文春文庫)」に収録 ページ位置:31% 作品を確認(amazon)
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燕(つばめ)
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前後の文章を含んだ引用
......、どうすんの?」 ふいに、スウちゃんが聞いた。誰に聞いたのかわからない。あたしたちは、城山の石畳を歩いていた。ここに城閣はない。苔蒸した石垣だけが残っている。 燕が、地面すれすれを滑空し、舞い上がり、高く空に消えた。おれたちは飛べるのだと、羽根のない動物に見せつけているようだ。「進学? それとも就職?」 足が止まる。羽黒トンボが一匹、スウちゃんの肩で羽根を広げている。これからは、トンボの季節なのだ。「スウちゃんは?」 と、あたしは聞き......
単語の意味
燕(つばめ・つばくら・つばくろ・つばくらめ)
燕・・・ツバメ科の鳥。背や翼は光沢ある青黒色で、顔と喉(のど)は栗色、腹は白色の渡り鳥。尾は長く、二つに割れている。日本には春にやってきて民家に巣を作る。秋に去る。作物や樹木の害虫を捕食する、代表的な益鳥(えきちょう)。
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燕(つばめ)の表現・描写・類語(鳥類のカテゴリ)の一覧 ランダム5
燕のひるがえるのを眺めて
岡本かの子 / 巴里祭
燕が中空を滑るように横切っていく。
あさの あつこ「ガールズ・ブルー〈2〉 (文春文庫)」に収録 amazon
外には、やや傾きかかった日がさして、相変わらずその中を、燕 が軽々と流れている。
芥川龍之介 / 偸盗
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「鳥類」カテゴリからランダム5
白鳥たちは白い雲のかたまりのようになって北の国にかえっていったよ。
庄野 英二 / 星の牧場 amazon
大きな櫟 の木へたくさん渡り鳥がやって来ている声がした。
梶井基次郎 / のんきな患者
雀の群れが不揃いに電線にとまり、音符を書き換えるみたいにその位置を絶えず変化させていた。
村上 春樹 / 1Q84 BOOK 3 amazon
ゴミ捨て場を漁る烏(からす)は、好奇心の旺盛な考古学の学生のよう
山本 昌代 / 緑色の濁ったお茶あるいは幸福の散歩道 amazon
わたの人形みたいなかわいいひな
小出 正吾 / ポストの小鳥「小出正吾児童文学全集 (3)」に収録 amazon
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