(ゴムの木の樹液)護謨 の植林がある。青臭い厚ぼったいゴムの匂いがする。白紫色に華やぎ始めた朝の光線が当って、閃 く樹皮は螺線状 の溝に傷けられ、溝の終りの口は小壺 を銜 えて樹液を落している。揃って育児院の子供等が、朝の含嗽 をさせられているようでもある。
岡本かの子 / 河明り ページ位置:73% 作品を確認(青空文庫)
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林業
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前後の文章を含んだ引用
......と怒鳴ったが、誰も酔いの上の気焔 と思って相手にしない。社長は口を噤 んで仕舞った。 逆巻く濤 のように、梢 や枝葉を空に振り乱して荒れ狂っている原始林の中を整頓 して、護謨 の植林がある。青臭い厚ぼったいゴムの匂いがする。白紫色に華やぎ始めた朝の光線が当って、閃 く樹皮は螺線状 の溝に傷けられ、溝の終りの口は小壺 を銜 えて樹液を落している。揃って育児院の子供等が、朝の含嗽 をさせられているようでもある。馬来人 や支那人が働いている。 「僕等は正規の計劃 の外、郷愁が起る毎に、この土に護謨の苗木を、特に一列一列植えるのです。妄念を深く土中に埋めるのです」 その苗木の列......
単語の意味
光線(こうせん)
青臭い(あおくさい)
光線・・・光のすじ。光の線。差してくる光。
青臭い・・・青々とした草のようなにおいがする。
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