(ゴムの木の樹液)護謨 の植林がある。青臭い厚ぼったいゴムの匂いがする。白紫色に華やぎ始めた朝の光線が当って、閃 く樹皮は螺線状 の溝に傷けられ、溝の終りの口は小壺 を銜 えて樹液を落している。揃って育児院の子供等が、朝の含嗽 をさせられているようでもある。
岡本かの子 / 河明り ページ位置:73% 作品を確認(青空文庫)
この表現が分類されたカテゴリ
林業
しおりに登録する
前後の文章を含んだ引用
......と怒鳴ったが、誰も酔いの上の気焔 と思って相手にしない。社長は口を噤 んで仕舞った。 逆巻く濤 のように、梢 や枝葉を空に振り乱して荒れ狂っている原始林の中を整頓 して、護謨 の植林がある。青臭い厚ぼったいゴムの匂いがする。白紫色に華やぎ始めた朝の光線が当って、閃 く樹皮は螺線状 の溝に傷けられ、溝の終りの口は小壺 を銜 えて樹液を落している。揃って育児院の子供等が、朝の含嗽 をさせられているようでもある。馬来人 や支那人が働いている。 「僕等は正規の計劃 の外、郷愁が起る毎に、この土に護謨の苗木を、特に一列一列植えるのです。妄念を深く土中に埋めるのです」 その苗木の列......
単語の意味
光線(こうせん)
青臭い(あおくさい)
光線・・・光のすじ。光の線。差してくる光。
青臭い・・・青々とした草のようなにおいがする。
ここに意味を表示
林業の表現・描写・類語(職業・仕事のカテゴリ)の一覧 ランダム5
長い長い年月をかけて木を育てる林業は、どんな風雪が襲ってきても悠然とかまえていられる性格じゃないと、とても勤まらない
三浦 しをん「神去なあなあ日常 (徳間文庫)」に収録 amazon
このカテゴリを全部見る
「職業・仕事」カテゴリからランダム5
警察に連れていかれると、完全な取り調べ状態に置かれてしまうんです。狭い部屋で一日中、刑事さんと向かい合って、同じことを繰り返し訊かれるわけです。かなり高圧的な感じで、叱りつけるように訊いてきます。こちらも一生懸命話すんですが、それが相手にまったく通じない。頭から犯人と決めつけていて、まったく分かってくれない。コミュニケーションが成立しないんです。そんな時間が延々と続く。これが本当に苦しいんです。食事の時間を除いて、朝から晩まで続くわけです。
雫井 脩介「火の粉 (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
捜査の指揮を執るのは風祭警部なのだ。迷宮入りの匂いがする
東川 篤哉 / 謎解きはディナーのあとで amazon
(ヤクザの下っぱ)坊主頭の若い男が出てきた。言葉遣いは丁寧だが、目の鋭い男だった。
百田尚樹「永遠の0」に収録 amazon
同じカテゴリの表現一覧
職業・仕事 の表現の一覧
暮らしの表現 大カテゴリ