ずたずたに斬られて、そこへ俯伏せになっていた高梨外記は、もう虫の息もない。死骸は、滅茶滅茶だ。胸いたを突いた痕ばかり七、八ヵ所もある。復讐 的な虐殺だ。
吉川英治 / 雲霧閻魔帳 ページ位置:86% 作品を確認(青空文庫)
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死に方・死に様
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前後の文章を含んだ引用
......をつかんで、それを、引ッ奪くった。 「――来てくれッ。大変だッ」 茶店の夫婦が、山小屋の木挽 だの、石切工だのを、呼び集めて来てみた時は、もう、雲霧はいなかった。 ずたずたに斬られて、そこへ俯伏せになっていた高梨外記は、もう虫の息もない。死骸は、滅茶滅茶だ。胸いたを突いた痕ばかり七、八ヵ所もある。復讐 的な虐殺だ。 「――分らねえもんだ、あのまあ、気だてのいい、針屋が?」 と、人々は、首を振って、不思議がったり、余りの酷 さに、眉をひそめたり、何だか、世の中も、世の中に住む人......
単語の意味
胸(むね)
虫の息(むしのいき)
虫の息・・・小さな虫のような、かすかな息(=呼吸)。転じて、今にも死にそうな、弱々しい呼吸。息が絶えそうになった、死の寸前の状態。
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すさまじい形相で空をつかみ、のたうちまわって死ぬ
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(爆死)目の前で突然ものすごい音がした。それが爆発だと理解した時には、まるで五感が機能していない状態だった。何が起こったんだ。何も見えない。何も聞こえない。身体が動かない。俺は今どこにいるんだ。激しい痛みだけがしばらくの間感じられて、すぐにそれすら消え失せた。そして、完全な闇が訪れた。
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