遠くから子守唄が聞えた。といっても、子守女の哀調ではなく、元気のいい男の声。
吉川英治 / 雲霧閻魔帳 ページ位置:79% 作品を確認(青空文庫)
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歌声・歌う
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前後の文章を含んだ引用
......うが、火災の折、火に吹かれての……」 外の道を、秋風が、さあっと、木の葉を掃いて行った。美濃の明知 から三州境へかかるこの峠も、七刻 を過ぎると寂 れだった。 すると遠くから子守唄が聞えた。といっても、子守女の哀調ではなく、元気のいい男の声。それに交じって、嬰児 の泣き声が、近づいてくる。 「来たそうな」 女房は、土間を抜けて、裏へ駈け出した。乳ぶさをひろげて、待ちながら、 「おうおう泣いて。――飢 じゅう......
単語の意味
哀調(あいちょう)
哀調・・・歌や音楽などに漂う、なんとなく悲しい調子。
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美しい声でさえずる私の憧れの歌う小鳥。あなたの歌が流れるとき、世界は最も美しい頂点で止まる。
よしもとばなな / 波 ──あとがきとして「まぼろしハワイ」に収録 amazon
(海のそばで歌う)静かに、波紋のように彼女の繰り出す何かは広がり、何もかもを 吞 み込み、海辺へとたどり着いた
吉本 ばなな「アムリタ(上) (新潮文庫)」に収録 amazon
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カキのように黙りこむ
開高 健 / 地球はグラスのふちを回る amazon
はてな今の音は何だろうと考えた。人の声にしては鋭すぎるし、鳥の声にしては大き過ぎるし
夏目漱石 / 吾輩は猫である
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