修羅場みたいに傍若無人に殴りあう

睾丸に蹴りを入れるにあたって何よりも大事なのは、ためらいの気持ちを排除することだ。相手のいちばん手薄な部分を無慈悲に、熾烈に電撃的に攻撃する。《…略…》一瞬のためらいが命取りになる。

いがみ合う

彼は重心が傾いているような立ち方で腰に手を当て、苦々しげな顔をしている。表情と態度によって、人はこんなに遠くに見えるものかと思った。どんな感情も透過させない煙幕が二人の間に張られているような寒々しさがあった。

人の心など簡単に離れてしまうのだなと雪見は思った。

地球の一部がどかんと凹んだような戦車壕

焼夷弾が雨のように火の尾を曳（ひ）いて降りそそぐ

真っ向から対立する。

四機の爆撃機から、爆弾が離れるところが見えました。時間としては一瞬の事だったのでしょうが、まるでスローモーションの映像のようでした。四つの爆弾がゆっくりと笑うように降りかかって来ました。空気を切り裂くその音はまさしく鬼の笑い声のようでした。

皮肉な微笑がうかんだ。