愛らしくカールしたπの両足や、iの点の思いがけない力強さや、きっぱりとした0の継目
小川洋子「博士の愛した数式 (新潮文庫)」に収録 ページ位置:97% 作品を確認(amazon)
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前後の文章を含んだ引用
......、ルートが生まれた日がどれほど貴重な一日であるかを、改めて思い起こさせた。 4Bの鉛筆の芯がこすれないよう注意しながら、私はそっとオイラーの公式を指でなぞった。愛らしくカールしたπの両足や、iの点の思いがけない力強さや、きっぱりとした0の継目を、指先で感じ取った。延長戦に入ってからタイガースはサヨナラのチャンスをことごとく逃した。十二、十三、十四と回を重ねるごとに、本当は九回でサヨナラ勝ちのはずだっ......
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ちまちました読みにくい字
中島 京子「小さいおうち (文春文庫)」に収録 amazon
右上がりのとがった文字だった。 サトウの字は昆虫のようだと、わたしはいつも思う。指先にのせると、足先に密集している小さな棘や、胸の硬い甲羅や、神経質に動く触角が皮膚をチクチク刺して気持ち悪い、そんな字だ。
小川洋子 / 冷めない紅茶「完璧な病室 (中公文庫)」に収録 amazon
極くごく略した字
梶井基次郎 / 橡の花
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共同便所の中にあるような猥褻 な落書
小林多喜二 / 蟹工船
口をついて出る言葉言葉がどれもこれも絢爛 な色彩に包まれていた。
有島武郎 / 或る女
彼が書く数字の形が好きだった。4は丸みを帯びすぎてリボンの結び目のようだし、5は前のめりになって今にも躓きそうで、どれも整っているとは言い難かったが、どことなく味があった。
小川洋子「博士の愛した数式 (新潮文庫)」に収録 amazon
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