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口をつぐんでいつもの咳をしはじめる。最初はケホン、ケホン、と軽く喉を震わすように、やがて肺全体から吐き出される濁った音をためらいもなく車両の内部に 撒き散らして、たいして苦しげでもない放心した顔つきで宙を見つめながら、いつ終わるともなく咳き込んでいる。
沼田 まほかる「彼女がその名を知らない鳥たち (幻冬舎文庫)」に収録 ページ位置:24% 作品を確認(amazon)
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咳をする・咽ぶ・喉が鳴る
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前後の文章を含んだ引用
......てからゆっくり揉んだるわ」 大声で言われたわけではなかったが、十和子の隣の中年のサラリーマンがフンッと笑ったような気がする。 陣治はなおも何か言いかけるが、ふと口をつぐんでいつもの咳をしはじめる。最初はケホン、ケホン、と軽く喉を震わすように、やがて肺全体から吐き出される濁った音をためらいもなく車両の内部に撒き散らして、たいして苦しげでもない放心した顔つきで宙を見つめながら、いつ終わるともなく咳き込んでいる。自分の咳の音に聞き入る風情の陣治は、人々に挟まれて座席にすわったまま、やっぱり無人島に打ち捨てられた人間のように見える。 駅に着くまで十和子は黙り込んで、口のな......
単語の意味
顔付き(かおつき)
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