かたかた、と、小さく音を立てながらバスは走る。何も書かれていない地図の上を走っているみたいだ、とあたしは思った。どこに辿りつくのかわからない。
朝井 リョウ / ひーちゃんは線香花火「もういちど生まれる (幻冬舎文庫)」に収録 ページ位置:84% 作品を確認(amazon)
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バス
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......そのまま通り過ぎた。「ひーちゃんが風人に謝るって? 何を?」「私が汐梨に話したら、今までの三人の関係を壊しちゃうかもしれない、そうなっちゃったらごめんねって」 かたかた、と、小さく音を立てながらバスは走る。何も書かれていない地図の上を走っているみたいだ、とあたしは思った。どこに辿りつくのかわからない。辿りついたその先にほんとうにひーちゃんがいるのか、実感がわかない。「だけどもう、話すことに決めたから、って。あした、ひーちゃんと一緒に汐梨の家に行こうとしてたん......
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往還のアスファルトに響いて多摩川通いのバスが揺れながら来た。
岡本かの子 / 母子叙情
巨大な棺桶のようなグレイハウンド・バス
村上春樹「風の歌を聴け (講談社文庫)」に収録 amazon
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信号で停止する大型トラックが、晩年のベン・ウェブスターのテナートーンを思わせる、かすれたエアブレーキの音を立てた。
村上春樹「スプートニクの恋人 (講談社文庫)」に収録 amazon
ワイパーをぺしゃこ、ぺしゃこ、ぺしゃこ、ぺしゃこと動かして
村上春樹 / 遠い太鼓 amazon
腕時計の針さえ正確に読み取れなかった。
村上 春樹「羊をめぐる冒険」に収録 amazon
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