抑えようのない、彼女自身の愛が苦しかった。
平野 啓一郎「マチネの終わりに (文春文庫)」に収録 ページ位置:24% 作品を確認(amazon)
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......情も、また更に変わっていた。蒔野と会って、やっぱり楽しいと感じるほどに、彼女は、自分はもう、彼の愛を受け容れられないのかもしれないと考え、悲痛な思いに駆られた。抑えようのない、彼女自身の愛が苦しかった。 窓の外が暗くなって行くにつれて、店内に囲われた活気は、一層輝きを増していった。 蒔野は、主菜にあわせて、ボルドーのカベルネ・ソーヴィニョンを注文する洋子を見つ......
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彼と言葉を交わした瞬間、突然世間に色がついたので私はびっくりしていた。
吉本ばなな / うたかた「うたかた/サンクチュアリ」に収録 amazon
ドアが開き、嵐はそう言ってさっと電車を降りた。走り出す電車から、ホームを大またで歩いてゆく彼を残像のように遠く見送って、がっかりしていた。私は彼の声をもっと聞いていたかった。彼の存在感はまるで身内のように親しく、好きな人のように深く心に残った。ちょうどその二つの感情が混ざった淡いときめきが、心の中で電車のリズムに合わせていつまでも揺れた。
吉本ばなな / うたかた「うたかた/サンクチュアリ」に収録 amazon
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