そのキスは決まって、朝の眠たい身体の奥深く、生温かくくすぶっていた欲望の扉を開け放った。
小池真理子「愛するということ (幻冬舎文庫)」に収録 ページ位置:40% 作品を確認(amazon)
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キス・口づけ
性的興奮・性的欲望
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前後の文章を含んだ引用
......れ線グラフの頂点を迎えていたのは、まさしくあの頃だったのだろうと思う。 あの夏、滞在した石垣島のホテルで、わたしたちは毎朝、ベッドの中でキスをし合って目覚めた。そのキスは決まって、朝の眠たい身体の奥深く、生温かくくすぶっていた欲望の扉を開け放った。 わたしたちは何も身につけていない。野呂がわたしに手を伸ばしてきて、わたしは彼の胸の中にからめ捕られる。シーツがかすかにこすれる音がする。火照ったようになってい......
単語の意味
燻る・燻ぶる・燻ぼる(くすぶる・くすぼる)
身体(しんたい)
燻る・燻ぶる・燻ぼる・・・1.火が燃え上がるでもなく、消えるでもない、煙だけ出した状態である。
2.人の状態が好ましくない段階で、留まっている。
3.不平不満を持ったまま、引きこもって過ごす。
4.煙のすすで黒く汚れる。すすける。
2.人の状態が好ましくない段階で、留まっている。
3.不平不満を持ったまま、引きこもって過ごす。
4.煙のすすで黒く汚れる。すすける。
身体・・・人のからだ。肉体。
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口腔と口腔をつないでつくる小空間の内部で、ふたつの舌が 猛り狂ったように動く。舌が肉片であること、硬くなったり柔らかくなったり尖ったり捻じれたり震えたりする熱く濡れた肉片であることを、異様なほど意識する。水島が何か言うが、食べ物を頬張りながらしゃべっているようで聞き取れない。
沼田 まほかる「彼女がその名を知らない鳥たち (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
絃の舌が柔らかく絡みついてきて、唇から身体全体に安心が広がる。
綿矢 りさ「しょうがの味は熱い (文春文庫)」に収録 amazon
言葉が終わると同時に、まち子は邦彦に近づいてきた。ただ単に、まち子は顔をあげただけかも知れなかったが、邦彦はそこに顔を埋めていった。それはすぐに離れて行ったが、初めて嗅いだ口紅の 匂いが、いつまでも邦彦の 唇 に残っていた。
宮本 輝「道頓堀川(新潮文庫)」に収録 amazon
水仙のような、仄々とした接吻の味
林 芙美子 / 茶色の目「林芙美子全集〈第15巻〉茶色の目 (1952年)」に収録 amazon
矢継ぎ早に接吻の雨を降らせる
谷崎 潤一郎 / 痴人の愛 amazon
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突き昇ってくる熱の魅力に 抗えない
宮本 輝 / 螢川「螢川・泥の河(新潮文庫)」に収録 amazon
欲望を燃え上がらせ、どくどくと全身の血が滾るのを感じた。 長く途絶え、忘れかけていた回春の疼き
池井戸 潤「民王 (文春文庫)」に収録 amazon
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二人のからだは、縁から少しずつ、更けゆく夜の一部と化していった。見つめ合い、折々 萌す笑みを、熱を帯びた唇で移し合った。
平野 啓一郎「マチネの終わりに (文春文庫)」に収録 amazon
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