(後頭部への打撃)この時、痛い歓喜が頭の 天辺 から入って来た。五寸釘のように、だんだん私の 頭蓋 を貫いて、脳底に達した。
大岡 昇平「野火(新潮文庫)」に収録 ページ位置:90% 作品を確認(amazon)
この表現が分類されたカテゴリ
痛さ・痛い感覚
しおりに登録する
前後の文章を含んだ引用
......界の住人となった、私が殺した人間、あの比島の女と、安田と、永松であった。 死者達は笑っていた。もしこれが天上の笑いというものであれば、それは怖しい笑いである。 この時、痛い歓喜が頭の天辺から入って来た。五寸釘のように、だんだん私の頭蓋を貫いて、脳底に達した。 思い出した。彼等が笑っているのは、私が彼等を食べなかったからである。殺しはしたけれど、食べなかった。殺したのは、戦争とか神とか偶然とか、私以外の力の結果である......
単語の意味
歓喜(かんき)
歓喜・・・大喜び。心の底から喜ぶこと。
ここに意味を表示
痛さの表現・描写・類語(刺激のカテゴリ)の一覧 ランダム5
鈍い、重みのある痛み
直哉, 志賀「暗夜行路 (新潮文庫)」に収録 amazon
背中が、鉄の板でもはめ込まれたように痛い
高橋 三千綱 / 涙 amazon
このカテゴリを全部見る
「刺激」カテゴリからランダム5
(迫撃砲による名誉の負傷)真赤に焼いた鉄棒で思い切り、ガアンと 撲られた気持さ。
遠藤 周作「海と毒薬 (角川文庫)」に収録 amazon
痛みが脳天に抜ける。
沼田 まほかる「彼女がその名を知らない鳥たち (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
同じカテゴリの表現一覧
刺激 の表現の一覧
感覚表現 大カテゴリ