慎重に驚きを隠している声だった。
山田太一「飛ぶ夢をしばらく見ない」に収録 ページ位置:36% 作品を確認(amazon)
この表現が分類されたカテゴリ
感情や抑揚のない声
しおりに登録する
前後の文章を含んだ引用
......ものか。大体、横浜の木月家では、あきらかに睦子が若くなっていることを知っていた。 あきらかに? 本当にあきらかだろうか?「どうしたの?」 いきなり妻の声がした。慎重に驚きを隠している声だった。「お帰り」「なんなの、背広、散らかして。どうかした?」 五月になった。 なにもなくて二ヶ月がすぎた。 私は時折気弱になり、睦子とのことをあり得ないように思い、別......
ここに意味を表示
感情や抑揚のない声の表現・描写・類語(声・口調のカテゴリ)の一覧 ランダム5
「私は君に対してできる限り正直に話そうと思う」と男が言った。どことなく公式文書を直訳したようなしゃべり方だった。語句の選び方と文法は正確だが、ことばに表情が欠けていた。
村上 春樹「羊をめぐる冒険」に収録 amazon
感情を押し殺すように言い
雫井 脩介「火の粉 (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
抑揚の少ない、把みどころのない声
村上 春樹「1973年のピンボール (講談社文庫)」に収録 amazon
このカテゴリを全部見る
「声・口調」カテゴリからランダム5
飛行機を降り立って以来、君は周囲にあふれる言葉がどれもこれも不思議な風合いを帯びているのに気づいていたが、そのグループの声にはどうしても素通りできない誘惑を感じた。森に潜む小動物たちの鳴き声のように、一つ一つバラバラのようでありながら、彼らだけに通じる規則で互いに溶け合い寄り添い合って、暗号めいた調和を生み出していた。君が慣れ親しんでいる言葉とは明らかに異なる抑揚と勢いを持ち、予測できないリズムを刻んだ。
小川 洋子 / 乳歯「口笛の上手な白雪姫」に収録 amazon
同じカテゴリの表現一覧
声・口調 の表現の一覧
感情表現 大カテゴリ
感覚表現 大カテゴリ
人物表現 大カテゴリ