ササササと日が翳 る。風景の顔色が見る見る変わってゆく。
梶井基次郎 / 城のある町にて ページ位置:18% 作品を確認(青空文庫)
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曇り空・曇天
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前後の文章を含んだ引用
......海からあがって来た風は軽便の煙を陸の方へ、その走る方へ吹きなびける。 見ていると煙のようではなくて、煙の形を逆に固定したまま玩具の汽車が走っているようである。 ササササと日が翳 る。風景の顔色が見る見る変わってゆく。 遠く海岸に沿って斜に入り込んだ入江が見えた。――峻はこの城跡へ登るたび、幾度となくその入江を見るのが癖になっていた。 海岸にしては大きい立木が所どころ繁ってい......
単語の意味
風景(ふうけい)
顔色(かおいろ・がんしょく)
風景・・・自然の景色。目の前に広がる眺め。その場の情景。
顔色・・・1.顔の表面の色。血色。
2.気持ちを反映した顔のようす。顔つきにあらわれる感情や気持ち。顔つき。機嫌。
2.気持ちを反映した顔のようす。顔つきにあらわれる感情や気持ち。顔つき。機嫌。
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曇り空・曇天の表現・描写・類語(晴れ・曇りのカテゴリ)の一覧 ランダム5
曇っているせいか、昼間だというのに南側のマンションの窓の幾つかに灯りが点っている。
沼田 まほかる「彼女がその名を知らない鳥たち (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
どんよりと曇った灰色の朝だった。雪こそ降ってはいないが、空は継ぎ目ひとつなく灰色の雪雲に覆われ、街は隅から隅までたっぷりとその灰色にそめれられていた。目に映るものすべてが灰色だった。《…略…》地球の終わりを予言するような天気だった。
村上 春樹 / ダンス・ダンス・ダンス(上) amazon
ササササと日が翳 る。風景の顔色が見る見る変わってゆく。
梶井基次郎 / 城のある町にて
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「晴れ・曇り」カテゴリからランダム5
晩秋の薄日に照らされた集合住宅の屋根がキラキラとさざ波のように光って見えた
泉麻人 / ヴァンサンカン amazon
ロマネスクの半円祠堂 があって、一本一本の円柱は六月の陽 を受けて鮮 かに紫薔薇色 の陰 をくっきりつけ、その一本一本の間から高い蒼空 を透 かしていた。白雲が遥 か下界のこの円柱を桁 にして、ゆったり空を渡 るのが見えた。
岡本かの子 / 金魚撩乱
新緑を透した日の光が洪水のように一室に漲り渡る
田山 花袋 / 田舎教師 amazon
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